ウクライナ反政府デモ、なぜもめてるの?

[写真] 親EU派の抗議デモ=2013年11月24日、首都キエフで Ivan Bandura photo

 東欧のウクライナで反政府デモが続いています。まるで2004年に国民が不正に抗議して大統領選挙をやり直させた「オレンジ革命」の再現とも言われていますが、今回は何をもめているのでしょうか。

ヨーロッパとロシア、どっちに付くのか

 ざっくり言えば、ウクライナが欧州連合(EU)とロシアのどちらに付くのかをめぐってもめているのです。ウクライナは西のEUと東のロシアに挟まれるような位置にあり、両者ともウクライナを仲間に引き入れたいと綱引きをしています。板挟みのウクライナは、どちらか一方を選ばないといけません。

[図] ウクライナ周辺の地図

 そんななか、親ロシア派のヤヌコビッチ大統領がロシアを選びました。2013年11月、EU加盟の一歩となる「連合協定」への署名を見送ったのです。ロシアがウクライナに対し、経済制裁や経済支援という「アメとムチ」で署名しないよう圧力をかけていたようです。

 大統領の方針転換に猛反発して、親EU派の市民や野党指導者らが反政府デモを始めました。経済が低迷するウクライナに比べ、隣のポーランドがEU加盟後にめざましく成長しているのを見ているので、不満が爆発したのです。

 デモの参加者らは政治的にも欧州の方を向いています。ロシアのような強権政治や腐敗を嫌い、欧州のような民主主義にあこがれています。旧ソ連時代に抑圧された経験も反ロシア感情の根っこにあります。ウクライナは1991年、ソ連崩壊後に独立しました。

 ただ、ウクライナ国内でも地域によって温度差があります。歴史的にロシアとの関係が深く、大統領の出身地でもある東部では、デモの支持率が低いようです。

ロシアは「関税同盟」に取り込みたい

 ロシアにとってウクライナは戦略的に重要な国で、ロシア海軍の軍港もあります。プーチン大統領は、旧ソ連の国々を含む「関税同盟」にウクライナを取り込み、将来的には「ユーラシア同盟」として政治的にも統合しようと考えています。

 一方で、ウクライナはロシアから欧州に送られる天然ガスの中継地点でもあるので、EUはウクライナ情勢の安定を望んでいます。EUは人権問題も注視しており、オレンジ革命で活躍したティモシェンコ元首相が職権乱用の罪で収監されているのは人権侵害だとして、彼女の釈放を求めています。彼女はヤヌコビッチ大統領に反発する勢力のシンボル的な存在であり、EUとの連合協定にも賛成しています。ウクライナの政情不安の背景には、こうした事情もあるのです。

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