[写真]新種と判明したティウメダカ(上:メス・下:オス)=名古屋市・東山動植物園にて

 東山動植物園(名古屋市千種区)で新種のメダカが発見された。新種と判明された「ティウメダカ」は、同園の職員がインドネシア・スラウェシ島で採集し、同園で飼育していたもの。同種は6日より公開されており、世界中ここでしか見られない新種のメダカとして注目を集めている。

「36番目」の新種メダカ。特徴はオレンジ色の尾びれ。

 新種と判明した「ティウメダカ」は体長3cmほどの個体で、一般的な日本のメダカに比べるとやや小ぶり。オスは鮮やかなオレンジ色の尾びれを持ち、繁殖行動時に尾びれを除く全身が黒色化する珍しい習性も確認されている。

 東山動植物園世界のメダカ館飼育担当で、実際にスラウェシ島へメダカを採集に行った田中さんによると「ティウメダカの飼育はとても大変でした。現在公開しているメダカでオレンジ色の尾びれは確認し辛いですが、飼育環境に慣れていくに従い尾びれに色味が出てきます」とのこと。ちなみに、「ティウメダカ」の名前の由来は、スラウェシ島のティウ湖で採集したことから名付けられた。

 メダカ科はアジア固有の淡水魚で、現在36種(ティウメダカ含む)の生息が確認されている。新種のメダカが判明したのは、2013年にアメリカの分類学者により発表された「アシヌアメダカ」と「ウォラシメダカ」以来のこと。田中さんは2008年10月に、研究目的でスラウェシ島に来島。ティウ湖で新種とみられるメダカ126匹を採集し、帰国後は東山動植物園にて繁殖を試みることに。その後、現・琉球大教授の山平寿智氏と共同で研究を重ね、昨年12月に同種の掲載論文がアメリカの科学雑誌「コペイア」で発表され、新種と認められた。

飼育難しく一般への流通困難。東山動植物園は継続公開

 スラウェシ島より持ち帰った「ティウメダカ」の飼育には、慎重な飼育環境の調整が必要だったという。「水槽にはなるべく現地の水を使用し、汚れてきたら少しずつろ過してメダカの体調変化に気を配りました」と田中さん。とりわけ、メダカの飼育環境において重要な水素イオン濃度指数(pH)に注意したという。

 「名古屋の水のpHは中性です。ティウ湖の水とは濃度がまったく異なるため、pHの調整のため牡蠣の貝殻を水槽に入れるなどして、慎重に管理しました」。

 見事繁殖に成功した「ティウメダカ」は、同園にある「世界のメダカ館」にて30匹の個体が公開されている。いつかは一般でも飼育できるようになるかを尋ねると、「難しいですね。飼育に専門的な知識を擁することはもちろん、現地からの流通ルートの確立が最大の壁になりそうです」と説明。

 「世界のメダカ館」は27種のメダカを保有しており、メダカ科のコレクションとしては国内最大級の規模。また3月29日までは新種のメダカ発見を記念し、特別展「祝 新種メダカ発見!“ティウメダカ”採集から記載までの道のり」を開催している。

 12日には、調査研究を行った田中さんから直接話が聞けるアニマルトーク(同館特別展示会場にて午後3時から)も行うとのことだ。

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