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 年会費1000円で月1回、手作り料理の昼食が食べられて、その料理を弁当箱に詰めて持ち帰ることができる交流の場・ランチボックスカフェを、愛知県名古屋市のNPO法人・ナイチンゲールが今年5月に始めた。地域の交流拠点を作ろうと始まった試みで、会員は半年で約100人にまで増えた。関係者は「近くや隣の人たちが互いに助け合って地域を守る『共助』の関係を築く場にしたい」と、期待を寄せる。

利用者「みんなと食事して会話すると楽しい」

[写真]バイキング形式の大皿料理が並ぶ会場。各自が持参した弁当箱に料理を詰めて持ち帰りもできる(愛知県名古屋市千種区で)

 ランチボックスカフェは毎月21日、同法人が運営するカフェバー299(名古屋市千種区)で実施。同所近くには超宗派の覚王山日泰寺があり、毎月21日には縁日が開かれて多くの人でにぎわう。

 開催当日、お店には午前11時ごろから老若男女が集まる。店内にはバイキング形式で大皿料理が数種類並び、飲み物もある。各テーブルでは知り合い同士やその日たまたま相席になった人たちが、飲食しながら会話の花を咲かせる。

 料理はカフェの手作りで、ひじきとおからの煮物や酢豚など、全体的にやさしい味付けに仕上がっている。縁日で長久手市から来た60代女性は「家で親の介護をしていてストレスがたまりがちだが、ここでみんなと食事して会話すると楽しい。毎月のこの日が待ち遠しく思う」と満足そうな表情を浮かべた。

こういう取り組みが他の地域にも広がって欲しい

[写真]「共助の関係を作る場にしたい」とランチボックスカフェの意義を語る吉田理事長(愛知県名古屋市千種区で)

 この試みを発案したのは、同法人の吉田豊美理事長。大学付属病院などで長年看護師として務め、がん患者の高齢者専用賃貸住宅や、訪問看護ステーションの運営経験を持つ。

 ランチボックスカフェは、会員からの年会費のほか、法人会員からの寄付金で運営する。活動を支えるボランティアスタッフは、主に医療現場の働く人たち。スタッフは、来店者に気さくに声をかけ、介護や健康などの悩み事に耳を傾ける。

 これまで600人近くの末期がん患者と接してきた経験から吉田理事長は「人との会話が健康維持につながる。心配事や悩みがある人には、スタッフがじっくり話を聞くようにしている」と、取り組みの意義を語った。

 料理を持ち帰ることができるアイデアについて吉田理事長は「1人暮らしは、料理をしづらくなって、スーパーのお総菜に頼る人も多いから、自由に詰めて持ち帰りOKにした」と説明。これは継続的に利用してもらう工夫のひとつでもあり、「モデルケースとして、こういう取り組みが他の地域にも広がって欲しい」と希望を語った。
(斉藤理/MOTIVA)