名古屋市出身のシンガーソングライター、藤田麻衣子が11月23日にベストアルバム『10th Anniversary Best』を発売。シングル曲の『あなたは幸せになる』や『手紙 ~愛するあなたへ~』など、聞き手の心にそっと寄り添う歌詞が特徴で、“女心の代弁者”“泣き歌の女王”とも呼ばれている。

 CDデビュー10周年となるメモリアルイヤーに、これまでの軌跡と名古屋への想いを聞いた。

2014年には名古屋まつりのテーマソングを担当

名古屋市出身、デビュー10周年を迎えた藤田麻衣子

 2006 年にシングル『恋に落ちて』てCDデビュー。すべての曲を本人が作詞作曲している。フリーライブを大切にしながらファンを増やし、2013年には日本武道館で弾き語りによる無料ワンマンライブで約8000人を集客し話題に。透明感のある歌声と共感しやすい歌詞が人気で、ライブ会場で涙を流す人も少なくない。ライブに訪れるファンの約7割が女性という、特に同性からの人気が高いアーティストだ。

 2014年にメジャーデビュー。同年に開かれた「第60回 名古屋まつり」ではテーマソングを作詞作曲から担当。名古屋市出身であることを、より印象づけた。

共感ソングのルーツは槇原敬之

お気に入りの名古屋めしは「スガキヤのラーメン」

 ベストアルバム発売の経緯や、10年間継続しているスタイル、名古屋でのエピソードを語ってもらった。

 ――ベストアルバム『10th Anniversary Best』に対する想い、聴きどころをお聞かせください。

 CDデビューをした10年前は歯科医院で歯科衛生士をしていまして、働きながら夢を追っている最中でした。当時は路上ライブもやっていましたが、そんなスタートから1年くらいで歯科医院はやめて、音楽だけの活動になりました。

 それから一年一年いろんなCDを出してきて、一曲ごとにいろんな想いがあって、少しずつ聴いていただける方が増えて、ライブ会場がちょっとずつ大きくなって、2014 年にはメジャーデビューもあって―。10年たって、いま100曲以上が集まりました。今だからこそ昔の曲も聴いてほしいな、10周年でベストを出したいな、という気持ち。この10年のまとめのアルバムができました。

 ――10年間続けている変わらないことやスタイルなどはありますか?

 最初に歌を書き始めた時から、先に歌詞を書いてから、あとでメロディを付けるというスタイルは今もぜんぜん変わらないですね。メロディからあまり作れなくて、なんだか迷子になっちゃうんです。でも言いたいことや伝えたいことがあると曲を完成させることができるから、自分にとってはそれが一番作りやすい方法なんです。

 ――10年は長かった?短かった?

 長かったと言えば長いですけど、一息つけない感じです。やりきった感はまだぜんぜんないですね。「10年経ったのか、ふーん」みたいな。またこれから何をしようかを考えたり、今年はいい通過点の一つになってる気がします。

 ――音楽のルーツを教えてください。好きなジャンルや影響を向けたアーティストは?

 普通にポップスも好きですが、ミュージカルもとても好きです。とくにディズニー映画が好きで、デビュー前は毎日寝る前に「美女と野獣」のサントラを聴くことが日課でしたね。

 20歳の頃にシンガーソングライターになりたいという気持ちが芽生えてからは、槇原敬之さんをすごく聴いていました。『うたのきろく』という槇原さんの曲の歌詞だけが載っている本もすごく好きで、歌詞というより短編小説みたいなんです。すごくときめいて、私もそんな歌詞を書ける人になりたいなという気持ちになりました。なので、なるべく物語を書くことも意識していています。

 ――それが曲作りの際に大切にされていることなのですね。

 主人公が私自身だけではなくて、自分とぜんぜん性格が違う人だったり、男性だったり。自分というものに縛られず、いろんな物語を書きたいなという気持ちで、この10年歌を書いてきましたね。

 また、一回聴いただけで全部わかる歌にしたいなと。いままでフリーライブを大切にしてずっとやってきたので、お買い物途中の歩いている人や駅前でたまたま通りかかる人が、ふと聴いてくれたときにもわかる歌にしたいと思っています。

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