柴咲コウが女性戦国大名井伊直虎を演じる今年のNHKの大河ドラマ「おんな城主直虎」。物語の舞台となっている浜松市は、自主独立の気概が強く、静岡県内でも、独自の文化や気風を築いてきた。江戸時代の浜松藩は幕閣のエリートを多数輩出し、1871年(明治4年)から1876年(同9年)までは、浜松県も存在した。距離的に県庁所在地の静岡市と隣県の大都市・名古屋市のほぼ中間にあり、愛知県東部との結びつきも強い。そんな歴史的、地理的背景があるためか、浜松の“県民性”は「静岡よりなのか愛知よりなのか?」といった議論もちらほら。

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道州制が実現したら、浜松は名古屋につく?

徳川家康ゆかりの浜松城

 浜松市を含む静岡県西部と愛知県東三河は、合わせて三遠(さんえん)と呼ばれ、Bリーグの三遠ネオフェニックスは、豊橋市に加え浜松市内でホームゲームを開催している。名古屋方面に進学する学生も多く、「道州制になれば、浜松は名古屋につく」と推測する識者もいる。長野県南部の南信州と合わせて「三遠南信」とも称され、3地域の首長や関係者が一同に集まる三遠南信サミットも毎年開催されているほどだ。

 静岡県の方言を研究する富山昭さんは「西日本と東日本の方言の大きな境が浜松市の東側の掛川市や袋井市だという説があります。そうすると浜松市は大きく分けて西日本になります。三河地域の代表的な語尾の方言『じゃん、だら、りん』のうち『じゃん、だら』は静岡県西部でも用いますし、長野県南部でも使われる「だに」も、代表的な遠州弁です」と説明する。

「やらまいか」の起業家精神

 「やってみよう」というチャレンジ精神を意味する「やらまいか」という方言で知られるように、企業家精神も旺盛だ。江戸時代後期の綿栽培が織機製造業を生み出し、その技術がピアノ、バイク、自動車産業に受け継がれていった。ホンダやスズキ、ヤマハの創業地で、トヨタグループの創始者豊田佐吉も隣の湖西市出身。さらには、航空宇宙産業の集積地として国が愛知県、岐阜県を中心に指定したアジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区 に、静岡県内の市町で唯一浜松市が入っている。