シカ肉やイノシシ肉などの「ジビエ」の消費を拡大させるため、愛知県内のネットワークが本格的に動き出しました。「愛知ジビエ振興協議会(仮称)」設立準備委員会の初会合を6月1日、名古屋市内で開催。豊田市など山間部の食肉加工業者や猟師から、名古屋の都心のレストラン関係者まで、幅広いメンバーが「愛知のジビエ」普及に向けて顔をそろえました。

山間部で被害深刻、都市部とのネットワーク化へ

愛知産のシカ肉を使ったジビエ料理

ジビエは狩りで捕獲して食用にする野生動物を指すフランス語。日本ではシカやイノシシが「ジビエ料理」の素材として親しまれてきました。

しかし、近年は里山に人が入らなくなった代わりにシカやイノシシ、あるいはカラスなどが増加し、ふもとの田畑を荒らす「鳥獣害」が深刻化。その被害規模は全国で年間約176億円(2015年度、農林水産省調査)とされています。

北部に広大な森林を抱える愛知県でも鳥獣害被害は約4.3億円。イノシシだけでも、ここ5年ほどで毎年1億円前後の被害が生じています。こうした獣害対策と、過疎化が進む山間部の地域活性化としても注目されているのがジビエなのです。

愛知県は2010年度から「愛知産ジビエ」の消費拡大施策を展開。翌年度から県内でジビエ料理コンテスト「ジビエ・グルメ・グランプリ」やジビエ料理店を回るスタンプリラリーを開いたり、ジビエ肉の処理加工施設の整備を促したりしてきました。

消費拡大のためには山間部と都市部との「ネットワーク化」が欠かせません。愛知県では豊田市の「奥三河」地方と豊田や豊橋の市街地、そして名古屋エリアとをいかに結ぶかがカギとなります。

そこで、名古屋市にあるまちづくり支援などのNPO「ボランタリーネイバーズ」が、昨年度から本格的なネットワークづくりを提唱。今までもジビエ料理コンテストなどを運営してきたこともあり、豊田市のジビエ業者や名古屋市の調理師、飲食店関係者らに呼び掛けた結果、計3回の意見交換会を経て「協議会」の設立を目指すことで合意しました。これを受けて、今年度から設立準備委員会が立ち上がったのです。

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