名古屋市名東区の倉庫で広島の被災地に向けた資器材を積み込むボランティアたち

西日本を中心に甚大な被害をもたらしている「平成30年7月豪雨」の被災地支援のため、名古屋のNPOやボランティアが9日、ボランティア活動用の資器材を現地に向けて送り出しました。

東海豪雨きっかけにできた倉庫活用

コンテナで保管されていた一輪車にタイヤを付けるボランティア

資器材が置かれているのは名古屋市名東区の住宅街の一角。約250平方メートルの市有地に4基の貨物コンテナと1つのプレハブ小屋が置かれた倉庫があります。中には一輪車やスコップ、バケツ、タオルなど、被災地での片付けや支援活動に使う道具が整理され、全国の被災地からの要請に応じて貸し出したり、寄贈を受けて保管したりしています。

もともと2000年の東海豪雨時に名古屋青年会議所からボランティア活動用に提供された資器材を保管するため、日本財団と名古屋建設業協会の支援で「なごや災害ボランティア連絡会」と名古屋市が設置。当時は全国でもほとんどない珍しい施設でしたが、ボランティア活動の広がりや認知が進むとともに、ここをモデルとして各地で同様の拠点が設けられるようになってきました。普段は連絡会の構成団体である名古屋市東区の認定NPO法人レスキューストックヤード(RSY)が管理しています。

今回は広島市社会福祉協議会から資器材貸与の申し出があり、広島市安佐北区と安芸区の2カ所のボランティアセンターに向けた資器材を運び出すためのボランティアが呼び掛けられ、平日の日中にもかかわらず約20人のボランティアやNPOスタッフが倉庫に駆け付けました。

広島の被災地へスコップや一輪車搬出

トラックは荷台を資器材やタオルなどでいっぱいにして被災地へ向かった

ボランティアたちは必要とされる資器材の種類と数量の書かれた表を手に、数百本単位のスコップやデッキブラシ、バケツやジョーロなどを倉庫から搬出。一輪車には車輪をはめたり、スコップを束ねるひもが緩んでいたら結び直したりして、被災地から手配されて来た4トントラックの荷台に次々と運び込んでいきました。

泥をかき出すワイパーなどは「あえて柄を外した短いものもあった方が作業は楽」などと、過去の災害ボランティア経験を基にアドバイスし合う姿も。しかし今回は東日本大震災以来の広域型災害で、「こんなに積み込むのを見るのは初めて」と話すボランティアもいました。

作業は1時間半ほどで終わり、荷台いっぱいに資器材を積み込んだトラックが午後5時前に倉庫を出発。ボランティアたちは「よろしく頼むよ」と手を振ってトラックを見送りました。

RSYスタッフの林大地さんは「予想以上のボランティアの協力で、時間通りに積み込むことができた。現場は交通のマヒや混乱が続いているが、明日にはトラックが現場に着いて活用されていくと思う。今後も要請があれば対応したい」と話していました。

今回、愛知県内では大きな被害は見られませんでしたが、隣接する岐阜県で記録的な大雨が続き、関市などの一部で河川が氾濫、死者や多数の床上浸水被害が出ています。一方、九州から四国、中国にわたる広域の被災地で支援の「もれ」「むら」がないよう、全国の支援団体同士がネットワークを組んで連絡や調整を続けています。

個人単位での支援物資の送付や支援活動は、現地で混乱を招く恐れもある段階です。身近で活動する団体がないか、その団体を通じて何か支援ができないかなどの情報を集め、アクセスすることも必要ではないかと思われます。

(関口威人/Newdra)


■関口威人(せきぐち・たけと)1973年、横浜市生まれ。中日新聞記者を経て2008年からフリー。名古屋の環境専門フリーペーパー「Risa(リサ)」編集長、「なごやメディア研究会」代表などを務める。2018年から名古屋のライター、カメラマンによる取材チーム「Newdra」も結成。