日本サッカー界に待望のプロリーグが産声をあげて、15日でちょうど20年になる。日本で言えばJリーグは成人式を迎え大人の仲間入りを果たしたことになる。

 Jクラブ数はスタート時の10から今ではJ2を含めて40にまで増え、来シーズンからは10クラブ前後の規模によるJ3が新設されることもすでに決まっている。Jクラブが存在しない都道府県を探すほうが難しい時代は、遅かれ早かれやってくるだろう。
 サッカーを含めたスポーツが不毛だった新潟という地域の活性化に大きく貢献したアルビレックス新潟に象徴されるように、Jリーグが謳う「百年構想」はしっかりと、確実に実践されてはいる。
 チームとサポーターとの距離が近く、お年寄りや女性、そして子供たちが安心して、笑顔で試合を観戦できるというヨーロッパや南米ではお目にかかれない文化も定着して久しい。

 一方でJクラブをピラミッドに例えた場合、裾野が広がっていても頂点に位置するのにふさわしい、いわゆるビッグクラブが見当たらないのも偽らざる現状だ。
 ビッグクラブの定義とは、伝統と、タイトル数を含めた実績を持ち、豊富な資金力があって、そのチームの収入に連結する安定した集客力のあるクラブだ。国内外への認知度、影響力も問われる。100年の歴史を誇るヨーロッパを見れば、マンチェスター・ユナイテッドやバルセロナ、レアル・マドリー、バイエルン・ミュンヘンなどが、それらの定義を満たしているが、現時点のJリーグにビッグクラブは存在しない。

 11日に埼玉スタジアムで行われた浦和レッズと鹿島アントラーズの一戦は、Jリーグ20周年記念試合として銘打たれた。レッズは歴代の最多観客動員数、アントラーズはJ1における最多優勝回数を誇っているがゆえに記念試合に指定されたわけだが、ビッグクラブの定義において両者には足りない部分がある。
 レッズのビッグタイトルは2006年のJ1制覇と2007年のACL制覇。その後の成績面での低迷が、アジアを代表するビッグクラブ誕生への機運を萎ませた。

 2007年から前人未踏のリーグ3連覇を達成したアントラーズは国内の実績面では申し分ないが、海外への認知度や約4万人収容のカシマスタジアムでの集客で苦戦を強いられている点で物足りない。
 そもそも、日本にビッグクラブは必要なのだろうか。この試合を観戦したJリーグの大東和美チェアマンは、個人的な意見と断った上で、これからの10年、20年への期待をこう語っている。

 「強いチームが4つ、5つ出てきてリーグを牽引していってほしい」