イチロー、10試合ごとの打率

 ヤンキー・スタジアムからは大きな溜息が漏れた。

 16日、古巣マリナーズと行なわれた試合の4打席目。ヒットが出れば同点という2死二塁の好機で打席に入ったが、イチローがオリックスにドラフトされた年にようやく歩き出した若いカーター・キャプスの前に三振に倒れた。10日のロイヤルズ戦で本塁打を含む3安打を放ってから、自己ワーストタイの5試合連続無安打。

 カーティス・グランダーソンの復帰もあり、地元メディアからは「外野が余ってしまう。スタメンから外すなら、イチローだろう」という声も出始めた。

 18日の試合前の会見では、ジョー・ジラルディ監督と地元記者が一触即発。「ただの休みだ」と説明するジラルディ監督に対し、その記者は「スランプが原因ではないのか?」と問いただし監督はそれ以上の追求を突っぱねたものの、状況はそういうところまで来ている。

 どうしたのか? なにがどうブレているのか?今年は、とにかくムラがある。

 開幕から10試合ごとの打率を調べてみると、1割7分6厘(1~10試合)、3割6厘(11~20試合)、3割1分4厘(21~30試合)、1割3分8厘(31~38試合)。※表参照

 安定感こそが強みだったはずなのに、好不調の波が激しいのだ。10試合の打率が1割台まで下がることなど、これまで数えるほどしかなかった。
 これは、初めてシーズンの打率が3割を切った2011年とも、後半になってヤンキースに移籍してから3割以上の打率を残した昨年とも違う傾向だが、それでもやはり、今の低迷を遡れば2011年に行き着く。

 表を見れば一目瞭然だが、2011年というのは年間を通して苦しんだ。これまで、10試合ごとの打率が3割に届かないのは多くても年間80試合程度だったが、この年は130試合。好調期も短かった。
 この時イチローは、「(原因は)4月に結果が出ることの難しさですね」と説明。「その判断が今年もすごく難しかった、それは誤った判断だったということは言えるでしょうね。それが、5、6(月)に出てますから」と、シーズン終了後に分析している。

 しかし実際は、中盤以降もイチローらしい結果が出なかった。
 当時、内野安打が減ったから、という指摘があった。それは否定できないところか。その年は38本。その2年前には64本も記録したのだから、その差が年間200安打に届かなかった一因とは言える。

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