小学校で英語を正式教科として教えるべき――。政府の教育再生実行会議(座長、鎌田薫・早稲田大学総長)が5月下旬に打ち出した提言が話題になっています。初等教育から高等教育までグローバル人材育成のための教育改革の一部として提案したもので、小学校の英語を正式教科とし、実施学年の前倒し、時間増、専任教員の配置などを求めているのです。

拡大してきた小学校の英語教育

 これまでも、小学校で英語教育をしていなかったわけではありません。

 2002年度「ゆとり教育」の開始で、小学校では総合学習の「異文化理解」としての英語学習が解禁となり、多少なりとも英語に触れるようになりました。

 2011年度からは、小学5、6年生で週1回「外国語活動」が必修化。異文化への関心や理解、コミュニケーションの楽しさなど、中学校から本格的に始まる英語学習のための素地を育んでいます。しかし、正式教科ではないので、文法は教えず、成績評価も付けません。多くの場合、担任と英語圏出身の外国語指導助手(ALT)がチームで教えています。

 文科省は、さらに早い段階から発音などに慣れ、コミュニケーション能力を高める必要があると、2013年度中に専門家の意見をまとめ、2014年には中央教育審議会(中教審)に諮問する予定でした。そこに「教育再生実行会議」の提言が出てきたのです。

課題は教員の養成と確保

 将来、小学校の英語が正式教科となれば、国語や算数と同様、学習指導要領に基づく体系的な検定教科書や成績評価、指導法の確立、授業時間の確保、英語を教える教員免許、教員養成や研修制度なとの整備が必要となります。約40万人を数える現役教員の研修も欠かせません。とくに、教員の人材養成と確保、財政支出の増加は難問です。

 小学校教員を志望する学生の卒業要件として、非英語圏の人々が北米留学の際に必要となる英語試験TOEFLの一定スコア取得を課すほか、現職教員にもTOEFLを課すといった自民党構想も浮上しています。

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