少子高齢化問題が表面化して久しいですが、状況は一向に改善されません。近年、さまざまな少子高齢化対策の必要性が訴えられていますが、増税の方便と受け取り「ホントにヤバいのか?」といぶかる人もいるでしょう。

 しかし、少子高齢化に関する各種レポートを読むと、このままでは「ホントにヤバい」ことが明確にイメージできます。国立社会保障・人口問題研究所が2012年に公表した「日本の将来推計人口」を見ると、日本の人口は長期的に減少し、2060年には8674万人と現在より3割以上も少なくなると推計されています。いっぽう高齢者人口は今後、2042年をピークに増え続けます。このまま少子高齢化が進むと、2060年には65歳以上の高齢者が全体の約40%を占めると推計されています。

なぜ高齢化に歯止めがかからないのか

 現在、総人口に対する高齢者の割合は24%ほど。現段階でも年金や医療といった社会保障がいかに財政を圧迫しているかは、さまざまなメディアで報じられています。高齢化率が40%まで上昇すればどうなるのか。想像するだけでも恐ろしい未来が待っていそうです。

 高齢化が進む要因としては、寿命が延びたこともありますが、少子化による人口減が最も大きな問題です。しかし、経済面をはじめ子育て環境に不安が多いなか、簡単に子どもをつくれないという人も多いでしょう。子育て世代への支援として、安倍内閣は「待機児童ゼロ」や「育休3年」など、さまざまな少子化対策を掲げていますが、実効性に疑問が残るものもあります。

 6月25日には「少子化社会対策白書」がまとめられましたが、そのなかに子育て世代の所得に関する記述がありました。30代の雇用者の所得分布は、1997年には年収500~699万円が最も多くを占めていましたが、10年後の2007年になると、年収300万円台が最多となっています。白書は「子育て世代の所得分布は、この10年間で低所得層にシフトしている」と指摘しています。