“Free-to-Win”のコンセプトを導入したWorld of Tanks

 SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)をベースに、ウェブブラウザなどから手軽に楽しめるソーシャルゲーム。一般的なゲームと比べて、コミュニケーション要素が強いのが特徴となっています。ブラウザだけで遊べるのでブラウザゲームとも呼ばれ、元々はPC上で楽しむSNSの一部コンテンツでしたが、現在の日本では携帯電話やスマートフォンでプレイするものが主流といえるでしょう。

 日本におけるソーシャルゲームのツートップといえば、グリーが運営する「GREE」と、ディー・エヌ・エーが運営する「Mobage」が挙げられます。しかし、一時期は「ソーシャルゲーム・バブル」と呼ばれるほど急成長したこの業界にも、陰りが見え始めました。

ソーシャルゲームに陰りが見え始めてきた理由

 一番大きなきっかけとなったのは、2012年5月に「コンプリートガチャ(コンプガチャ)」の違法性が指摘された点でしょう。コンプガチャとは、課金によりガチャを引いてランダムで出現するアイテムをすべて集めると、レアアイテムが手に入るシステムのこと。子どもたちが親のクレジットカードを使って課金し、数十万円の請求が届いた、といったトラブルが従来から問題視されていました。そこで一部の企業は、年齢に応じた課金額を設ける措置を施しましたが、時すでに遅し。消費者庁が、コンプガチャおよび類似サービスが景品表示法に抵触すると明言し、グリーとディー・エヌ・エーを含むソーシャルゲーム提供企業の株価が急落したのです。

 その後、2社は国内だけでなく、海外展開の強化を図ってきました。しかし、グリーは5月の中国オフィスに続いて、イギリスのロンドンオフィスを閉鎖し、韓国についても事業を縮小するといった噂が流れています。その理由としては、海外ではウェブアプリよりもスマートフォンにインストールして遊べるネイティブアプリの方が人気であることや、現地のニーズに合ったタイトルが提供できなかったことなどが挙げられるでしょう。一方でディー・エヌ・エーは、米国においていくつかのタイトルが売り上げを伸ばしていますが、それでもまだ爆発的人気とまではいかない様子です。

 衰退したソーシャルゲームの穴を埋める形で爆発的なヒットを記録したのが、ガンホー・オンライン・エンターテイメントが提供する「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」です。こちらは一部でソーシャルゲームと同一視されることも多いのですが、同社のスタンスはあくまでも“スマートフォンゲーム”という位置付け。実際、アイテムのトレード機能などを実装せず、他プレイヤーと競い合う要素が少ないため、自分のペースで進めることができます。また、ダンジョンのコンティニューやガチャを引くための「魔法石」という課金アイテムもありますが、無課金でもある程度は入手可能で、無料で遊び続けられる仕様が魅力のひとつといえるでしょう。

 実際のところ、パズドラは2012年2月にiOS版、同9月にAndroid版、2013年1月にKindle Fire版をリリースしており、7月24日の発表では日本国内だけでも累計1700万ダウンロードを突破。米国・韓国・カナダでも順調な推移を記録しているようです。