無課金でも勝てる“Free-to-Win”というモデル

 ソーシャルゲームに限らず、PCや家庭用ゲーム機でも課金制のゲームは数多く存在します。基本プレイ無料のアイテム課金、月額課金などスタイルはさまざまですが、いずれも肝となるのは、ゲームのシステムや面白さに対する課金バランスでしょう。最近のユーザーは、ゲームシステムと課金のバランス感を正しく判断する基準が磨かれてきています。

 そんな中、多人数参加型のPC向けオンライン戦車ゲーム「World of Tanks」を提供するWargamingでは、“Free-to-Win”(無課金でも勝てる)と呼ばれる新しいモデルを打ち出しています。従来モデル“Pay-to-Win”(課金で勝つ)が重課金ユーザーに圧倒的有利な状況を作り出すのに対して、この“Free-to-Win”は無課金ユーザーも対等に遊べるようにするというものです。たとえばWorld of Tanksで課金するメリットは、ゲーム単位で得られる経験値やゲーム内クレジットの収入増のほか、迷彩塗装やマーキングが楽しめるなど“見た目”に変更を加える部分がメインです。ごく一部には課金により購入できる戦車もありますが、ゲームバランスが崩れるほど強い仕様ではないため、基本的に乗り込む戦車の性能はどんなユーザーでも対等になります。早く戦車を成長させたいユーザーは課金すれば良いですし、ゆっくり楽しむのであれば課金は必須ではないのです。

 従来のようにガチャをはじめとした力押しに頼るソーシャルゲームは、今後さらに厳しくなっていくはずです。いくら秀逸なアイデアを盛り込んでも、課金を強いるようなシステムではユーザーに飽きられるのも早いでしょう。こうした状況下において、Wargamingが提唱する“Free-to-Win”というモデルは、新たなソーシャルゲーム市場を形成する上で大きなヒントになるかもしれません。