慢性的な捕手難のプロ野球界に希望

 1本目は浜風に乗せて流し打った。
 2本目は引っ張ってのライトスタンド。

 大阪桐蔭の3番・キャッチャー、森友哉の“最後の夏”は、2打席連続アーチという強烈なデモンストレーションからスタートした。

 現在、プロ野球界は捕手難である(慢性的とも言えるが)。中日の谷繁や巨人の阿部のように、何十年かに一人の逸材の獲得に成功さえすれば、基本的に捕手は、長くプレーするので、チーム構築のビジョンが描きやすくなる。その意味で、森のような超高校級のキャッチャーは、何が何でも欲しいはずである。特に即戦力投手に頼らずとも、投手力が整っている阪神や“ポスト谷繁”を探している中日らは、確実に森を1位で狙っているだろう。

ここ数年でナンバー1の捕手

 某球団のスカウトに話を聞いた。
 「ここ数年でナンバー1のキャッチャーでしょう。今年は大学、社会人に即戦力のキャッチャーが多い。珍しくキャッチャーの当たり年ではあるが、森は、間違いなく1位で消える。外れ1位でも残っていない。パワー、センスも抜群だ」

 身長170センチという体格はハンディにならないか?そこだけがマイナスポイントとして気になったが、某スカウトは一蹴した。

日本ハムにも小柄でも成長著しい捕手がいる

 「170センチの身長が問題にされているが、現在、イースタンで、リーディングヒッターとして結果を出している日本ハムの近藤健介という横浜高校からドラフト4位指名された、2年目のキャッチャーがいい例だ。彼も172センチと上背がないのに、まったくそれはハンディになっていない。日本ハムはいい次期捕手を育てている。その近藤と比べて、森の方が現時点ですでにパワーは断然、上だし、全体的なレベルも高い。そう考えると、肩も強いし、森の体格は問題にならないだろう。藤浪とバッテリーを組んで、勝つ味を知っているというインサイドワークの面も魅力だ。意外と早く上で使えるかもしれない」

 スカウトではない“プロ”は、どう評価しているのだろうか。
 たまたま、森の全打席をテレビ観戦していたというWBCコーチで昨年までオリックスのヘッドコーチだった評論家の高代延博さんに森の評価を聞いてみた。