史上4人目の40歳代ゴール

 まるで金縛りにあったかのように、GKキム・ジンヒョンを含めたセレッソ大阪の守備陣が一歩も動けなかった。
 1点を先制されてから、わずか3分後の前半14分。セレッソのクリアボールを拾った横浜F・マリノスの左サイドバック、ドゥトラの左足がうなりをあげる。
 ゴールとペナルティーエリアの左隅を結ぶラインの延長線上、距離にして30mはあっただろうか。角度のない位置から放たれた無回転の一撃は、一直線の軌道を描きながらゴール直前で急降下。右のサイドネットに突き刺さった。ブラジル代表の往年の左サイドバック、ロベルト・カルロスの左足からのキャノンシュートを彷彿とさせる一撃だった。

 2006年7月30日に、この日と同じ日産スタジアムで行われたアルビレックス新潟戦以来、実に2603日ぶりとなるJ1通算9ゴール目。その年限りで5年半在籍したマリノスを退団し、母国ブラジルに戻ってプレー。左サイドバックが手薄になったマリノスからの再オファーを受け、昨シーズン開幕直後の3月に復帰したドゥトラは、はにかんだような笑顔を浮かべた。

 「今までもペナルティーエリアの外から狙ってきたが、今日は幸いにも自分の前にスペースが空いた。(ブラジル時代から)2年ほどゴールを決めていなかったので嬉しいよ。でも、確かにしっかりと蹴ることができたけど、ロベカルの足元には及ばないよ(笑)」

 1973年8月11日生まれの40歳。J1では文句なしの最年長選手であり、J2を含めた全体でも46歳のFW三浦知良(横浜FC)、41歳のFW岡野雅行(ガイナーレ鳥取)に次ぐ3位となる。
 40歳代でのゴールは、ジーコ、カズ、中山雅史に次いでJ1史上4人目。しかし、170cm、70kgの小さな左サイドバックは、休むことなくピッチの上に立ち続けている点で誰よりも驚異と言える。

 昨シーズンは30試合で欠場はわずか1。開幕ダッシュに失敗したチームを最終的に4位に導く原動力となり、38歳での復帰に懐疑的だったサポーターを実力で納得させた。