イギリスの名車「スーパーセブン」を電気自動車化し、各地の急速充電器を利用しながら日本一周を目指す「EVスーパーセブン急速充電の旅」が24日、東京をスタートした。約2カ月かけて日本を一周し、旅を通して電気自動車(EV)と急速充電器の認知度を高める。

経済産業省で出発式

日本一周の旅に出る「EVスーパーセブン」の前でポーズを取る館内端代表(右端)、片山右京さん(右から2番目)、菅原一秀経済産業副大臣(中央)=24日午前、経済産業省

 この日、東京・霞ヶ関の経済産業省で行われた出発式には、同省の菅原一秀副大臣らが出席。まず日本EVクラブの舘内端代表が「急速充電器はEVドライバーにとって『砂漠のオアシス』のようなもの。現在、全国で約1700基まで設置が進んでおり、現在の充電インフラでも日本一周できることを証明したい」とあいさつ。ただ、まだまだ十分な設置状況ではないことも事実で「ここに充電器があったらいいのに、という場所も発信していきたい」と語った。

 続いてゲストドライバーの片山右京さんが「パリダカでは私も砂漠でガソリンスタンドを探した身。旅が成功して、EVに対する安心感を与えられれば」とエールを送った。その後、EVスーパーセブンとEVコンセプトカー「AERO-Y」、三菱アウトランダーのPHEVの3台が出発し、日本一周の旅がスタートした。

 日本EVクラブが主催し、チャデモ協議会が共催、経済産業省と国土交通省、環境省が後援している。

なぜEVで日本一周?

「急速充電の旅」日程とルート

 CO2を排出せず、石油以外のエネルギーで走れるEVは「究極のエコカー」として期待されているが、十分に普及しているとは言い難い状況だ。日本の保有自動車総数は7500万台だが、EVはその0.1%にも満たない2万5000台しかないという。

 EVは1回の充電で走れる航続距離の短さと充電設備の少なさが、購入希望者にとっての不安要素であり、課題とされている。そのため、普及には充電器の増設などインフラ面の整備が不可欠で、今回の旅では各地で整備されつつある急速充電器を活用し、充電しながら日本を一周することで、急速充電器の存在と必要性を認知してもらう狙いがある。あくまで先を急ぐ旅ではなく、できるだけ多くの充電スポットを利用して、充電器設置のキーパーソンや、次世代エネルギーの普及に取り組む企業や自治体の思いも伝えていきたいとしている。

 EVなどの充電方法には大きく分けて、数十分で充電できる「急速充電器」と、数時間から十数時間かかる「普通充電器」の2種類あるが、今回は急速充電器を活用した走行になる。

 充電設備は現在、全国で急速充電器が約1700基、普通充電器が約3000基設置されている。トヨタ、日産、ホンダ、三菱の4社は充電器設置の共同推進で協力し、来年10月末までに急速充電器を4000基、普通充電器を8000基まで増設する方針という。