1973年の南海は”死んだふり”

[表]南海と広島の共通点

 圧倒的な強さでセリーグを制した巨人ですが、短期決戦では何が起こるかわかりません。クライマックスシリーズで、足をすくわれる可能性は十分にあります。2005年にはレギュラーシーズン89勝45敗2分、勝率.664だったソフトバンクが、プレーオフでレギュラーシーズン2位のロッテに敗れたのは記憶に新しいと思います。それ以外にも40年前に“死んだふり”と言われた番狂わせがありました。

 1973年、この年からパリーグでは2シーズン制が導入されました。前期優勝を果たしたのは、野村克也プレーイングマネジャー率いる南海ホークス。65試合38勝26敗、勝率.594で2位のロッテに2ゲーム差でプレーオフ出場権を獲得しています。

 そして後期優勝は西本幸雄監督率いる阪急ブレーブスでした。成績は65試合43勝19敗3分、勝率.694。前期同様に2位に甘んじたロッテに5.5ゲーム差をつけての優勝でした。なお、前期優勝だった南海は後期3位。30勝32敗3分けで勝率は5割を切り.484でした。

[表]広島カープ 12年前に幻のAクラスがあった

南海 後期は阪急に0勝12敗1分

 プレーオフは南海 vs 阪急となったわけですが、特筆すべきは、南海と阪急の対戦成績。南海は前期こそ、8勝5敗と勝ち越していますが、後期は0勝12敗1分と阪急に圧倒されています(年間では南海の8勝17敗1分)。当時、南海の野村監督は負けるたびに「死んだふりですよ」と発言していたそうです。結局、プレーオフでは、5回戦制の第5戦までもつれ、南海が3勝2敗でパリーグ制覇を成し遂げています。なお、南海は年間成績でいえば、阪急、ロッテに次ぐ3位の成績でした。

広島と南海の共通点

今年のセリーグのクライマックスシリーズ。40年前になぞらえて考えると、広島にチャンスがあるかもしれません。

■年間成績
1973年 南海 年間3位 
2013年 広島 年間3位
■直接対決
1973年 南海 1位(阪急)との直接対決の勝率 .320(8勝17敗1分)
2013年 広島 1位(巨人)との直接対決の勝率 .364(8勝14敗2分)
■絶対的エース
1973年 南海 山内新一が20勝(8敗)
2013年 広島 前田健太が15勝(6敗)

監督がともに「野村」なのは、こじつけですが、シーズンを通じて、巨人に対して劣勢だった広島が、実は“死んだふり”だったかもしれません。広島・前田健投手の活躍などで、もしかすると下剋上を果たすかもしれません。

※パリーグの2シーズン制とは
1973年~1982年まで導入されていた制度。前期65試合、後期65試合を戦い、それぞれの優勝チームを決定する。それぞれの優勝チームがプレーオフ5回戦制を戦い、3勝したチームがリーグ優勝、日本シリーズ出場となる。前期後期ともに同じチームが優勝した場合プレーオフは行われない(1976年、1978年ともに阪急が前後期優勝)。