[図表] 「ユニクロ」の売上高を競合他社と比べると

 ユニクロを展開するファーストリテイリングの売上高が衣料業界で初めて1兆円を突破しました。海外事業の拡大が売上げに大きく貢献しており、日本では数少ないグローバル企業ということなのですが、1兆円というのは果たしてスゴイことなのでしょうか?そして日本の企業は皆、ユニクロを目指すべきなのでしょうか?

GAP、H&Mより小さい

 日本国内を基準にすればユニクロの売上げはやはりスゴイと言ってよいでしょう。ユニクロと並ぶ超優良企業といわれる「しまむら」ですら売上高は5000億円程度ですからユニクロの規模は突出しています。しかしグローバルという視点で見てみるとユニクロは大した企業ではありません。米GAPの売上高は約1兆5000億円、スウェーデンのH&Mは約1兆8000億円ですので、グローバル市場での競合他社には1.5倍から1.7倍もの開きがあります。

 このような状況は他の業種でも当てはまります。日本の代表的グローバル企業と呼ばれるソニーは6兆8000億円の売上げがありますが、業界トップであるアップルの売上高は15兆円を超えます。小売大手のセブン&アイ・ホールディングスの売上げは約5兆円ですが、世界ナンバーワンのウォルマートの売上高はなんと47兆円です。ウォルマートは別格としても、日本のナンバーワン企業とグローバル企業には1.5倍から2倍の規模の開きがあるのが現実です。

 ファーストリテイリングの柳井社長は、こうしたグローバル企業に追い付き、追い越すことを目標にしています。世界同一賃金をうたい「年収100万円も仕方ない」と言い切るのもこうした理念から来ていると考えられます。

 バブル崩壊以後、日本以外の先進各国が経済規模を2倍から2.5倍に拡大させている中、日本は経済成長ゼロの状態が続いてきました。その理由はいろいろありますが、企業のグローバル化が不十分という考え方はかなり浸透しています。このため、ユニクロのような数少ないグローバル企業には大きな期待が寄せられているわけです。

 しかし現実はなかなか厳しく、ユニクロがさらに業績を拡大するのはかなり大変です。ユニクロですらそうなのですから、他の日本企業が今からグローバル市場で成長していくのは至難の業といってよいでしょう。しかもユニクロは労働環境などにおいて、国内では批判が多い企業の一つでもあります。

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