[図表]上陸時の中心気圧が低い台風

 台風27号、28号と2つの台風が日本に近づいています。台風28号については上陸しないとの予報ですが、24日午後12時現在、中心気圧は905ヘクトパスカルと低く「猛烈な台風」となっています。台風のニュースでよく耳にする「ヘクトパスカル」。そもそもどういうもので、台風の強さとどう関係があるのでしょうか。

「パスカル」は仏科学者の名前から

 実は、ヘクトパスカル(hPa)は気圧など圧力の単位です。以前は「ミリバール」という単位を使っていましたが、1992年から国際基準に合わせて「ヘクトパスカル」を使用するようになりました。ヘクトは100倍という意味で、パスカルという言葉はフランスの哲学者で科学者のパスカルから取られたものです。基本的には、中心気圧が低ければ低いほど、風は強くなります。

 ただ台風の強さは「ヘクトパスカル」だけで決まるわけではありません。中心気圧の低さに比例して強くなるのではなく、気圧の傾斜のキツさで決まります。つまり、気圧の傾斜が急であればあるほど風は強くなります。分かりやすく言うと、テレビで見る天気図の等圧線の間隔が狭いほど、風が強いというわけです。

「風の強さ」と「大きさ」で分類

 ちなみに気象庁の基準でも、台風の勢力の強さはヘクトパスカルではなく、「風の強さ」と「大きさ」で決められます。

 「風の強さ」は最大風速によって3段階あり、秒速33メートル~44メートル未満が「強い台風」、秒速44メートル以上~54メートル未満が「非常に強い台風」、秒速54メートル以上が「猛烈な台風」となっています。その意味で、今回の台風28号は、一番上のクラスの「猛烈な台風」に分類されます。

 また「大きさ」の基準は強風域の半径で分類され、500キロ以上800キロ未満の場合は「大型の台風(大きい台風)」に、800キロメートル以上は「超大型台風(非常に大きい台風)」となります。

第二室戸台風は上陸時929ヘクトパスカル

 現在、中心気圧が905ヘクトパスカルの台風28号ですが、これまでの例では、910ヘクトパスカル以下で日本に上陸した台風はありません。

 これまでで一番低かった台風は、1951年の統計開始以降では、1961年の第二室戸台風で925ヘクトパスカル。その次に低い1959年の伊勢湾台風でも929ヘクトパスカルでした。統計開始以前の参考記録としては、1934年の室戸台風の911ヘクトパスカルがあります。

 気象庁によると、台風の中心気圧は、発生当初は例えば1000ヘクトパスカルや990ヘクトパスカルですが、それから940ヘクトパスカルや930ヘクトパスカルまで発達し、中には910ヘクトパスカルや900ヘクトパスカルくらいまで強くなるものもあるといいます。ただ、北上して日本に近づいたり、上陸するころには中心気圧が上がり、勢力は弱まるようです。

 台風28号については「発達のピークは過ぎた(気象庁)」とのことで、中心気圧はあす25日午前0時には920ヘクトパスカル、25日午後12時には930ヘクトパスカルまで弱まるとの予測です。上陸するおそれもありません。