6月に閉会した通常国会では計73本の法律が成立しましたが、そのうち議員立法は何本だったか知っていますか?

 国会議員が法律案を出すことを「議員立法」といいますが、日本では内閣提出の法律案が成立する件数が多いのが現状です。議員立法は毎年どれくらい成立していて、どんなものがあるのでしょうか?

議員立法の件数

[図表]成立した法律数の年ごとの推移

 今年の通常国会では、内閣から75本の法律案が堤出され、そのうち63本が成立しました。それに対し、議員立法は衆議院と参議院で合わせて81本が提案され、成立はわずか10本でした。ただ2012年は、議員立法が85本の提案に対して32本成立しています(内閣提出は93本提出のうち60本成立)。32本成立という数字は、2007年と並んで過去10年で最も多いものです。

 ちなみに内閣提出法案の成立率は、民主党政権が初めて通常国会に臨んだ2010年こそ5割台でしたが、概ね7割から9割で推移しています。

 日本は議員立法の成立率が低く、官僚主導の立法が課題とされています。大統領制のアメリカでは立法の発議は議員のみに認められていますが、日本と同じ議院内閣制を採るイギリスでは政府提出の法律案の成立率の方が高いようです。

法律案を出せる条件

 国会議員は法律案を出せますが、たった1人で提案することはできません。衆議院議員の場合は議員20人以上の賛成が、参議院議員の場合は議員10人以上の賛成が必要です。また、提案したい法律案が予算を必要とするものであれば、さらにハードルは上がり、衆議院で50人以上、参議院で20人以上の賛同者がいないと提案できません。これは、自分の選挙区や支持団体の利益のための、いわゆる「お土産法案」の乱発を防ぐ目的だといわれています。

成立した主な議員立法

[図表]成立した主な議員立法

 議員立法で成立した法律にはどんなものがあるのでしょうか? 一般的に、議員立法は国民生活に密着したものが多いとされています。例えば、今年の通常国会では、いじめ防止対策推進法や子どもの貧困対策法、改正ストーカー規制法や改正DV法が成立しています。過去には、がん対策基本法や肝炎対策基本法のような医療に関わる法律も成立しています。

 もちろん、国政に関わる法律もあります。2012年には、当時の野田首相の「解散発言」を受けて成立した衆院小選挙区「0増5減」法や、郵政民営化見直し法があります。また、今年の通常国会で成立した、インターネット選挙運動を解禁する改正公職選挙法も議員立法によるものです。

 国会は「唯一の立法機関」で、国会議員はローメーカー(Lawmaker)とも言われるように、法律を作るのが大事な仕事です。国会議員の役割を意識しながら、国会の法案審議に注目するのもよいのではないでしょうか。

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