「知る権利」憲法に明記されず

 もっとも、ヨーロッパなどには憲法や基本法で「知る権利」を保障している国が少なくない一方で、日本は憲法をはじめ、ほかの法規でも「知る権利」を明記していません。1983年の最高裁判決で判例上は認められたのですが、99年に情報公開法が制定されたときも、当時の自民党政権は「権利としてまだ成熟していない」と「知る権利」の条文化を拒んでいます。国を統治しやすいという考えから、政治権力を持つ側には情報公開に対して後ろ向きな傾向があるのです。いまの「知る権利」をめぐる問題も、こうしたことの延長線上にあるという見方もあります。

 今回の特定秘密保護法案は、「知る権利」の条文が盛り込まれはしましたが、これはまだ単なる努力義務規定にすぎません。何が「特定秘密」なのか、本当に「知る権利」は保障されるのか。国民も注視していく必要があるでしょう。

(野中ツトム/清談社)

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