2013年は世界各地で大きな事件や対立が相次いだ一方、一部では緊張緩和の兆しがみえた1年でした。その5大ニュースをランキング形式でとりあげることで2013年の国際情勢を振り返り、2014年の世界の潮流を読み解くヒントにしたいと思います。【国際政治学者・六辻彰二】

[写真特集] 内戦シリア 壊滅した町

第1位 シリア内戦で化学兵器を使用

[写真] シリアに化学兵器を廃棄させることで合意した米国のケリー国務長官(左)とロシアのラブロフ外相=2013年9月14日、ジュネーブで US State Department photo

 8月21日、シリアの内戦で化学兵器が用いられました。欧米諸国はこれがアサド政権によると断定し、軍事介入を主張。これに対して、中ロはアサド政権が化学兵器を用いた証拠がないと反対。さらに、欧米諸国の世論も介入に消極的でした。8月29日、英国議会は介入に反対する決議を採択し、キャメロン首相が軍事介入を断念したことは、その象徴です。

 状況が膠着するなか、ロシア政府の働きかけで、シリア政府は化学兵器の廃棄に合意。これを踏まえて、10月31日には化学兵器禁止機関(OPCW)が、シリアにある化学兵器の関連施設が全て廃棄されたことを確認したと発表しました。

 これを契機に、米ロがシリア内戦の解決のための協議のための協議を開始。2014年1月22日には、当事者が一堂に会する和平交渉「ジュネーブ2」が開催される予定です。内戦発生から2年以上経つシリアは、今後の情勢を左右する局面に入りつつあるといえるでしょう。

第2位 中国が東シナ海「防空識別圏」を設定

[図] 領空と防空識別圏

 11月23日、中国政府は突如、東シナ海の広範な領域に防空識別圏(ADIZ)を設定したと発表しました。国家の主権の及ぶ範囲である「領空」の外側に位置づけられるADIZを通過する航空機には、これを設定した国に、あらかじめ飛行計画を提出することが求められます。

 発表があまりに唐突だったことに加えて、尖閣諸島を含む空域が含まれていたことから、日本政府はその撤回を要求。同盟国の米国や、さらに今回のADIZが自国のものと一部で重なる韓国も反発を示しました。しかし、中国政府は「日韓は以前からADIZを設定していた」として、これらの批判や反発を無視する構えです。

 米国や韓国はこのADIZ設定を受け入れない態度を示す一方、自国の民間航空会社が飛行計画を提出することは容認しており、この点で日本との違いが浮き彫りになりました。一方、今回のADIZ設定で、現状を否定してでも海上進出を進める中国の姿勢が、より鮮明になったといえます。