広島の新人合同自主トレが1月10日、広島の大野にある室内練習場でスタート。2.5キロのランニングを含むハードなメニューが科せられたが、ドラフト1位の大瀬良大地(九州共立大)、2位の九里亜蓮(亜細亜大)という大学卒の即戦力投手コンビが存在感を示した。首脳陣はFAで巨人に移籍した大竹寛の“10勝の穴”を大瀬良、九里に埋めてもらいたいと期待を寄せ、1軍キャンプスタートを決めているが、2人の2014年のスタートは、まるで好対照だった。

 大瀬良が、あてがわれた合宿所の部屋は、かつて前田健太、野村祐輔らのエースが旅立った幸運の出世部屋。もちろん、プロの世界は実力勝負だが縁起はいい。大瀬良は、部屋に九州共立大の恩師、仲里清監督から送られた1枚の色紙を持ち込んだ。そこには「木鶏(もっけい)」と書かれていた。

 中国の故事に由来した言葉で、強い闘鶏は、まるで木彫りの鶏のように動かず泰然としている、本当に強い人は、他者に惑わされることなく、黙っているだけで衆人の模範となる、との意味がある。元横綱の双葉山が69連勝でストップしたときに使って有名になった言葉だ。

 「木鶏のような最強の投手になるため、“常に謙虚であれ”という先生の教えを胸に刻んでおきたい。自主トレではブルペンには入りませんが、キャンプインしてから、約2週間で実戦に入れるくらいの状態には仕上げたいです」

 大瀬良は、そうプランを語ったが、対照的に2位の九里は、ショッキングな新年の始まりだったという。1月5日に大阪の住吉大社へ初詣に出かけたが、そこで引いたおみくじが、なんと最悪の「大凶」。ちょうど夕刻だったが、出てきた巫女さんが「大凶は滅多に出ない。大吉より少ないんです。珍しいですね」と言ったという。

 「新年早々、落ちるとこまで落ちました(笑)。逆に言えば、ここからは、上に上がっていくしかないんです。そう考えると強運ってことですよね」