[写真] ニューヨーク・タイムズ紙のネイティブ広告。デル社提供と記事上部に書いてある

 最近ネイティブ広告というキーワードを目にするようになってきました。ネイティブ広告とは、メディアにおいて通常の記事であるかのような形で提供される広告のことを指します。米国の大手メディアは相次いでネイティブ広告を導入しているのですが、これについては賛否両論が出ています。

 通常、紙であれネットであれ、広告は広告であることが一目で分かるような体裁になっています。しかしネイティブ広告は記事と同じフォーマットで提供されるので、読者は記事か広告かを一目で判別することができません。

ネイティブ広告を規制すべきとの声も

 ネイティブ広告は米国で普及が始まっているのですが、実は日本には昔から米国のネイティブ広告と似たような形式の広告(記事体広告と呼びます)が存在しています。日本の記事体広告には、必ず「広告特集」や「PR」といった文字が表示され、記事ではないことを読者が判別できるようになっています。

 しかし広告収入が落ち込む中、広告であることを分かりにくくした記事体広告が近年目立つようになってきました。米国においてネイティブ広告が話題になってきたことで、日本でも一部のメディアは、さらに境界線を曖昧にした広告を導入することについて検討を開始しています。

 こうしたネイティブ広告が増えてくれば、読者は広告なのか、客観性のある記事なのか判別しにくくなります。このためネイティブ広告については規制すべきであるという声も少なくありません。

読者は違いを気にしていない?

 しかし、一方では別な見方も存在しています。読者はメディア側が考えているほど、広告と記事の違いを求めておらず、そこまで神経質になる必要はないというものです。実際、PRあるいは広告と表示した記事体広告について、広告であると認識している読者は少ないという調査結果もあります。読者の多くは、自分の好き嫌いでコンテンツを評価しているのであって、広告かそうではないかで判断しているわけではない可能性があるのです。

 ネイティブ広告に賛成している人は、リテラシーの高い読者は、どんなに「偽装」しても広告と記事を峻別することは容易であり、記事に広告を紛れ込ませても何ら問題はないと主張しています。逆に広告収入がなくなることでメディアが存続できなくなることの方が問題だというわけです。