■団体フリー進出はできたが…

 フィギュアスケートの団体で、ショートプログラム(SP)に出場した浅田真央は、3位につけて、なんとか上位5か国に与えられるフリーへ進む権利を手にしたが、演技冒頭のトリプルアクセルに失敗して転倒した。トリプルアクセルの基礎点は8.5点だが、今回は、重度の回転不足と判定され、基礎点が1.8点となった上、転倒で全体の得点から1.0点の減点となり、実質は0.8点しか獲得できなかった。

■浅田真央「予想以上に緊張した」

 逆にロシアの15歳の新星、ユリア・リプニツカヤが、会場の声援も味方につける完璧な滑りで今季の自己ベストとなる72.90点で1位になるなど、金メダル獲得を狙う女子シングルに向けて不安な要素が広がった。浅田は「予想以上に緊張してしまって、自分の演技ができなかった。(6分間)練習でも失敗していたし、気持ちをコントロールできなかった」と反省を口にした。

 では、なぜ浅田はトリプルアクセルに失敗したのか。識者に聞いてみた。
 現役時代は、元全日本2位で、海外で多くのトレーニング経験もあり、現在はインストラクター及び、評論活動をしている中庭健介さんは、「トリプルアクセルに入る段階で、滑りに勢いがなく“えいっ”という力強い踏み切りがありませんでした。SPの曲調が、柔らかいので、その曲を表現しようと、優しく“ふわっ”と入ってしまったのでしょう。踏み切りが原因で重度の回転不足につながりました」と分析していた。

 浅田のSPの曲は「ノクターン」。確かに優雅な優しい曲調だ。中庭さんは、そうなってしまった理由をこう推測している。
 「おそらく、トリプルアクセルを技術練習の中で成功させている映像を見ましたが、音をつけて合わして飛ぶという練習機会が足りなかったのではないでしょうか」

■現地のリンクに慣れていない?

 元全日本4位で、インストラクターとしても活躍されている今川知子さんは、転倒の理由をこう分析している。

 「トリプルアクセルに入る前のカーブの軌道が成功しているときより小さく見えました。必然、踏み切りも浅くなり、高さも出ませんでした。すると、無理に回転しようとしますので、上体だけが先に回って軸が中心より左に外れました。転倒という大きなミスが起こると、後の演技に影響出るのは仕方がないでしょう。踏み切りの失敗理由としては、直前の6分間練習でもトリプルアクセルを成功できていなかったという不安と焦りだったと思います。現地のリンクに慣れていないということもあったのでしょう」

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