[写真]東京・虎ノ門にあるテレビ東京(撮影:ITA-ATU)

 テレビ東京の勢いが止まらない。視聴率では、フジテレビ、TBSを抜いて3位(平日19~23時、プライムタイム)に踊り出ることもしばしば。経営面でも昨年の上期の経常利益が、91.5%増と民放トップの伸び率を誇っている。

 長らくNHKを含む“5強1弱”と見なされ、民放他局には、相手にもされなかった同局がテレビ離れも叫ばれる昨今にあって、なぜ好調をキープしているのか?

■“安定”のテレ東! ブレない姿勢が支持された!!

 テレ東と言えば、かつて湾岸戦争時に他局がこぞって報道番組を流す中、アニメ「ムーミン」を放送。
また北朝鮮の金正日総書記死去の際には、各メディアが通常番組を急きょ変更し、報道特番を組む中、「大人の極上ゆるり旅」を放送した。

 「『地下鉄サリン』、『同時多発テロ』、『拉致被害者帰国』など、重大な事件や事故を他社が横並びで扱っている状況で、いつもと変わらぬ番組を放送するのがテレ東です。その周囲にまったく流されないマイペースぶりは、“安定のテレ東”、“ブレてない”として、ネット上では称賛されている」(テレビ誌記者)

 ともすれば、手抜きとも取られかねない“安定”ぶりだが、じつはこの“ブレない姿勢”が好調の要因になっているのだ。

 「開局も、他社に遅れをとったテレビ東京は知名度も低く、予算も少ないため、スタートから独自路線を貫いていくしかなかった。それでも、旬は過ぎているものの、中高年に支持の高いタレントを使った旅モノ、早朝深夜のアニメ、経済を柱にしたニュースやドキュメンタリー、素人参加型のバラエティ番組など、視聴率は振るわなくても、それを長く続けてきたからこそ、他局との差別化に成功したんでしょう」(制作会社社員)

■人気番組「ローカル路線バス」に見る テレ東スタイル!

 得意分野を着々と増やし、長い時間をかけて固定客を取り込んでいったテレビ東京だが、最近では、新たな視聴者層にもその存在感を示している。

 テレ東の十八番、旅モノでこのところ話題なのが、「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」だ。
俳優・太川陽介と漫画家・蛭子能収のコンビが女性ゲストを迎え、3泊4日の路線バスの旅を楽しむという内容で、不定期放送ながらここ最近は毎回12~13%の視聴率を取っており、同時間帯の1位を記録したこともある人気番組だ。

 「制限時間内に路線バスで目的地に向かわなければならないので、普通の旅番組と違って、有名な観光地やご当地グルメをきっちり紹介することはないが、番組全体を包む“ゆるさ”が逆に“味”となっている。蛭子さんのわがまま、マイペースぶりにイライラしつつ、太川さんの茶目っ気や大人の態度に感心させられる。蛭子さんが何かしでかすんではないかという期待感で見ている若者も多い」(前出・テレビ誌記者)。