土星のような環(わ)を持つ小惑星が見つかりました。小惑星の名前は「カリクロ」。これまで土星をはじめ木星、天王星、海王星には環があることが知られていましたが、小さい天体に環が見つかったのはこれが初めて。驚くべき発見です。しかも、その環が発見されたきっかけがこれまた驚きでした。

[画像]カリクロと環の想像図(提供:ESO/L. CalCada/M. Kornmesser/Nick Risinger (skysurvey.org))

カリクロは土星と天王星の間を回っている天体で、直径は250キロメートル。東京都から福島県くらいの大きさがあります。木星から海王星の間にある小惑星は「ケンタウルス族」と呼ばれていますが、そのなかでも最も大きいサイズです。

大きいとは言え、遠くにある小さな天体の環をどのようにして地球から見つけたのでしょうか?

日食はご存知ですね? 太陽の前を月が横切ったら、太陽は暗くなります。同じことがカリクロでも起きました。遠くの星の前をカリクロが横切った時、遠くの星の光はカリクロに遮られて見えなくなります。普通に考えると、光が遮られるのは1回だけのはずなのですが、3回起こりました。次の動画が分かりやすいのでご覧ください。

[動画]カリクロによる食の様子

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動画の下にあるオレンジの線が、どれだけ光が遮られたか(減光)を示すグラフです。真ん中の一番大きな減光では、確かに星が数秒間消える様子が目で確かめられます。しかし、その前後にも減光が観察できますね。これは「カリクロに土星のような環があることに違いない」というわけです。

複数の観測結果を合わせると、環は2本あることが分かりました。内側の環は半径391キロメートルで、幅は7キロメートル。外側の環は半径405キロメートルで、幅3キロメートルと結論づけられました。

カリクロの環がどのようにして出来たのかは分かっていませんが、天体同士が衝突して、その残がいが広がったのではないかと考えられています。また、環の幅や形を保っている衛星も存在しているのではないかと考えられています。

(監修:アストロアーツ