[写真]23日に来日するオバマ大統領

 今月下旬のオバマ大統領の来日を控え、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)交渉が大詰めを迎えています。日米の隔たりは大きいと言われますが、果たしてオバマ大統領の来日までに交渉をまとめることはできるのでしょうか?

 TPP交渉において日本側は、コメ、麦、牛肉・豚肉、乳製品、砂糖を「重要5項目」とし、関税撤廃の例外にしたいという方針を掲げています。これに対して米国は、原則としてすべての分野における関税撤廃を要求しており、双方とも妥協点を見いだせていません。2月にシンガポールで行われた閣僚会合では日米はまったく歩み寄ることができず、交渉は物別れに終わりました。その後、実務者レベルでの協議が続いていたのですが、状況はほとんど進展しませんでした。

 この流れが変わったかのように見えたのが、アボット豪首相の来日です。安倍首相は今月7日、アボット首相と会談を行い、豪州産牛肉の関税について、現在の38.5%から段階的に20%台に引き下げることで大筋合意を引き出すことに成功しました。

 オーストラリアとの合意はEPA(経済連携協定)に関するものですのでTPPと直接関係するわけではありません。しかし、米国と並んで日本に対して農作物の関税撤廃を強く求めてきた豪州が妥協したことで、TPPにおいても米国の譲歩を引き出せるのではないかという期待感が出てきたわけです。

 このニュースは米国でも報道され、8日に交渉のため来日した米国のフロマン通商代表は、早速「日豪の合意よりも高い水準を目指す」と発言し、日本側を牽制しています。

 フロマン代表の来日と前後して、都内ではTPPに関する米国との実務者協議が行われました。日本側は牛肉に絞った妥協案を提示しているとは公式発表していませんが、これに沿った妥協案を米側に提示したと考えられます。その後、甘利経済財政相とフロマン代表との間で閣僚級協議が行われましたが、結局まとまらず、実務者協議を継続するという形に落ち着きました。フロマン代表は日米の間には「まだ相当の違いがある」と述べています。

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