[画像]「丸み」がなくなった新型コペンのテールデザイン

 東京モーターショーへの出品以来、多くのファンにとって気になるクルマ、ダイハツ・コペンの詳細が明らかになった。プレスインフォメーションを元に、ダイハツが新型コペンで何をしようとしているかを考えてみる。

 まずは旧型、つまり初代コペンのおさらいだ。初代コペンは2002年にデビューした軽自動車枠の2座オープンカー。2012年までの10年以上にわたり生産されてきた。ダイハツ史上、これだけ老若男女に幅広く愛されたクルマは他に無く、ダイハツの至宝となりつつある。つまりコペンはトヨタにとっての2000GT、あるいはニッサンにとってのGT-Rに近く、ダイハツのイメージを牽引するスター車種と言える。

空力に問題があった「初代」の丸いテール

[写真]特徴的だった初代コペンのリアビュー

 初代コペンが開発された時、誰一人そんなクルマに育つとは思っていなかった。ダイハツのイメージを背負うクルマになったのはあくまでも偶然で、開発時にはむしろある種のあだ花として、一瞬輝きを放ちさえすれば御の字だったはず。それは例えばスタイルに現れている。決してハードなスポーツカー志向ではなくクルンと丸いデザインである。機能よりもキャラ重視でなければああいう形にはならない。

 何故ならリアの丸いデザインは空力的には大きな問題を孕んでいるからだ。同様の例は初代アウディTTやニュービートルにもあるが、お椀を伏せたようなテール形状だとどうしても高速でリアが浮き上がる。これは避けようのない物理的特性なのだ。
クルマが走る時、リアタイヤは風見鶏の尻尾、あるいは矢の羽根、飛行機なら垂直尾翼、凧のアシのような働きをしている。高速走行時に直進安定性を担保するリアタイヤが浮き上がり、接地が希薄になるのは極めてリスクが高い。スポーツを本気で考えるならああいう形にはしない。

 しかし、本気度が低かった結果、力まずにキャラものとしてさらりと作られたコペンはさわやかで自然な佳作車に仕上がり、多くの人の支持を得て特別なクルマに育った。もはや以前とは込められる期待が違う。モデルチェンジに本気が入らないはずはない。

 この本気度の高さが吉と出るか凶とでるかはまだわからないが、資料を見る限り新型コペンは初代より全てが理詰めで構築されている。写真をみれば解る様に、特徴的だった丸いテールデザインもすっかり改められ、リアの揚力が60%低減された。この驚異的な改善代の大きさは、新型がいかに素晴らしいかと言うよりは、旧型がいかに弱点を持っていたかということでもある。