能見、メッセンジャーという先発の頼れる2枚が結果を出して、巨人戦に勝った。第4、第5の先発と、中継ぎ陣が、まだ整備されていないことへ不安を感じていたが、13日には、榎田が素晴らしいピッチングで続き、昨年5月以来となる対巨人の同一カード3連勝を演出した。まだ安定感とまではいかないが、新人の岩崎(ドラフト6位)も含めて、第4、第5の先発に、新しい光が見えてきた。これで明日15日の広島戦に先発する藤浪に初勝利がついて計算が立つようになれば、ようやく2014年の阪神タイガーズのカタチが見えてくる。

 “明日なき戦い”ではなく、この先の戦いの読める、“明日のある戦い”になってくる。心配なのが、その2年目の藤浪である。私は、彼が2軍戦で投げたオープン戦の終盤から気にはなっていたのだが、100球を超えると、ガタっと制球力と球威が落ちる。特に左バッターに対して、インサイドを攻めきれない。意思のあるボールは、ことごとくコントロールできずに抜けてしまうのだ。8日の横浜DeNA戦では、6回までを無失点をに抑えていたが、4点のリードを守れず、7回にブランコに逆転満塁ホームランを浴びてしまっている。

 初回から、120パーセントの力で投げているのがわかる。おそらく、その力感で投げないと、通用しないことを本人が意識しているのだろう。本来ならば、昨年の楽天の田中将大や、私が現役の頃に対戦した江川卓のように、打者や状況によって“抜くテクニック”を身につけ、メリハリをうまくつけながら、7回、8回を投げきって、先発投手の仕事を果たさねばならないが、今の藤浪にその余裕はない。もし、藤浪が、そういう細工を試みると、たちまちにつかまってしまう危険性がある。

 昨年までベンチは、藤浪を潰さないようにと、球数を制限しながら起用していた。だが、今季は、能見、メッセンジャーに次ぐ第3の先発の立場だ。ベンチも、100球前後で、極端に制球も球威も落ちてくる事情はわかっているのだろうが、将来のエースになるべく、そういう壁を乗り越えてもらいたいという期待値を込めて、この2試合は、続投をさせてきた。だが、結果的に、そこで、つかまってゲームを台無しにしてしまった。

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