「プロ棋士」と「コンピューターソフト」の対決として注目を集めていた将棋の団体戦「第三回電王戦」(主催・ドワンゴ、日本将棋連盟)は12日に対局日程を終了、プロ棋士側から見て1勝4敗という結果となりました。昨年行われた第二回もプロ棋士側が負け越し(1勝3敗1引き分け)ており、人間側にとって2年続けて厳しい結果となりました。今回は第二回と比べルールが変更され、プロ棋士側が若干有利という見方もありましたが、それでもコンピューターソフトが勝利したことで、「結果から見ればソフトの実力はトッププロ棋士に並んだといってもいい」という意見も出始めています。

プロ有利の前評判も2年連続負け越し

 第三回電王戦は3月15日に開幕し、前回同様5対5の団体戦で行われました。

《第3回将棋電王戦対戦結果(対局順)》
   プロ棋士    コンピューター
●菅井竜也五段 vs 習甦(開発者 竹内章氏)○
●佐藤紳哉六段 vs やねうら王(開発者 磯崎元洋氏、岩本慎氏)○
○豊島将之七段 vs YSS(開発者 山下宏氏)●
●森下 卓九段 vs ツツカナ(開発者 一丸貴則氏)○
●屋敷伸之九段 vs ponanza(開発者 山本一成氏、下山晃氏)○

 第二回とのルールの違いの一つは、主催者が用意する統一のハードウェアを使用する点。さらに「プロ棋士側には本番と同じソフトおよびハードで事前に練習対局できる環境が提供される」ということです。第二回で三浦弘行九段(対局当時八段)に勝利したGPS将棋などが、約700台のハードウェアを接続して並列的にプログラムの処理を行う「クラスタ」と呼ばれる技術を使っていましたが今回はこの方式は使えなくなりました。こうした点から今回はコンピューター側が不利なのではという指摘が出ていました。

谷川会長「厳しい現実受け止めなければ」

 しかし、いざ対戦が始まるとコンピューターは指し手に乱れがほとんど見られず、豊島七段が快勝した第三戦を除けば、いずれも熱戦となり、最後はコンピューターソフトが競り勝つ形になりました。今回タイトル保持三期の実績を持つ屋敷九段が敗れ、第二回では名人戦A級(最上位クラス)在籍の三浦九段も敗戦しており、12日の最終戦終了後、記者会見した将棋連盟会長の谷川浩司九段は「昨年に続き今年も負け越しという結果に終わりまして、厳しい現実を受け止めなければいけません」と語りました。

 勝った豊島七段は「3月に入って対局と研究会の日を除けばソフトと対決していた」と電王戦対策にかなり集中し、1000局近い対戦をこなしたことを明らかにしました。一方、敗れた棋士からは「習甦(第1戦のソフト)との将棋は本当に力負けという風に感じた」(菅井五段)、「ソフトとの練習を通して、自分が思ってもいないような手を指してくる、そういう場面にたくさん遭遇し、将棋の奥深さを感じることができた」(佐藤六段)とコンピューターの強さを受け入れる声が出ました。

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