消費増税前の駆け込み需要を受けて家電量販店の決算が好調です。ここ数年、苦戦が続いていた家電量販店ですが、今回の決算をきっかけに、復活することはできるのでしょうか。

 最大手のヤマダ電機は、2014年3月期の決算については、大幅な減益を見込んでいました。しかし、決算発表の直前に業績予想を上方修正して関係者を驚かせました。最終的に同社の決算は、売上高が1兆8940億円、当期純利益が187億円となり、当初の見込みよりも利益が2倍以上に増加しました。主な要因は、消費税の駆け込み需要によるもので、特にエアコンなど白物家電が好調だったといわれています。この傾向は他社も同様で、ケーズホールディングスやエディオンも相次いで業績を上方修正した上で決算を発表しています。

 家電量販店はここ2~3年、非常に苦しい経営が続いてきました。業界トップのヤマダ電機の売上高は、2011年は2兆2000億円近くありましたが、昨年の決算では1兆7000億円まで落ち込んでいます。ビックカメラを除くと、家電量販店は皆、同じような落ち込みとなっていました。

 量販店の経営が苦しかった最大の原因は、不景気による消費者の購買力の低下です。量販店は価格が安いイメージがありますが、あれだけの規模の店舗を維持していくためには、相応の利益率(約2割)が必要となります。このため量販店はネット通販の店舗に比べると単価の高い商品が多く、景気の影響を受けやすい構造になっています。アマゾンや楽天などネット通販が年々拡大しているとはいえ、これらは量販店と比べると一桁小さい市場規模です。ネット通販に直接顧客を奪われたというよりは、買い控えや低価格製品へのシフトが進んでしまった結果の業績悪化と考えた方がよいでしょう。

 消費税の駆け込み需要は価格が高いものほど顕著になります。住宅や自動車などいわゆる高額商品は購入に時間がかかるため、半年以上も前から駆け込み需要が発生していましたが、白物家電はそこまでの高額商品ではありません。このため、3月に需要が集中した可能性が高いと考えられます。増税から1カ月が経過しましたが、今のところ、生活必需品については反動による大幅な需要減少は見られません。家電についても、予想したほどの落ち込みにはならないとみる関係者が多いようです。

 ヤマダ電機では、2015年3月期の業績について減収増益としています。特に上期の売上高は前年同期比で5.7%減を見込んでおり、駆け込み需要の反動を考慮に入れています。通期では売上高の減少は4.3%にとどまる見込みですが、利益率は逆に向上するとしています。同社は、販促費などの見直しを行うと同時に、より単価の高い製品を中心に販売を強化する意向のようです。エディオンやケーズHDは、今期とほぼ同水準の売上高、利益を維持できるとしています。

(The Capital Tribune Japan)

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