GDPの寄与度(%)、実質(2005暦年基準、季節調整済み)

 2014年1月~3月のGDP(国内総生産)が発表となりました。実質GDP(2005年暦年基準)前年比は3.0%(前期比年率換算は5.9%)と高い伸び率でした。

 とはいえ、今回の高い成長率は消費税の駆け込みの影響が大きく、これが何を意味するのかはわかりにくいところです。そこで、前回1997年消費税率2%引上げの時(5%になったとき)と比べて、高い成長率の中身と今後を考えてみます。

 ポイントは3点です。また、今後のカギとなるのは民間投資と外需(輸出入)です。

 1つは、いつもとは逆の見方です。通常、GDPは成長率が高いほど、景気が良くて望ましい結果と捉えられます。ところが、今回に限っては、成長率が高すぎない方がむしろ安心です。というのも、高ければ反動も大きくなり、その大きな変動によって影響を受ける人も多くなるからです。

 その意味では、1~3月のGDPが予想より高かったことは、やや、反動が大きくなることが懸念されます。ただし、1997年の時と比べてみると、特別に高いというものではありません。GDP成長率に対する各支出項目の寄与の大きさを測る指標として、寄与度があります。実質GDP対前年比について、図で民間消費の寄与度(棒グラフの白部分)をみると、今回が2.1%で前回は2.2%とほぼ同じ規模でした。

 2つめとしては、もう1つ注目していた民間投資(グラフ青い部分)です。1~3月に伸びると予想していたのですが、やはり1.3%の寄与度となりました。少し弱いもののこれも前回と似た特徴で、(投資も支出ですので)消費と同じく駆け込み需要に伴うものと考えられます。

 このように、民間の消費と投資は前回1997年の消費税率引き上げ時と、かなり近い動きとなったことが分かります。

 3つめが重要かもしれません。それは民間住宅と政府支出(含む公共投資)が前回と異なることです。住宅は駆け込み増がやや抑えられています。1997年の時は、消費税増税後に民間住宅が落ち込み、全体を相当引き下げてしまったので、この点では今回は反動が小さく収まることも期待されます。とはいえ、住宅需要そのものが小さくなった可能性もあります。

 一方で、今回はアベノミクス第2の矢により政府支出が実質GDPを押し上げています。増税後も5兆円規模の経済対策により、極端には引き下げ要因にはならないと思います。ただ、昨年2013年に大きな押し上げ要因となってしまっているので、これは反動により縮小してしまいます。そう考えると、4月以降の実質成長率は1997年の時より少し低く、ゼロ近辺に落ち込む場合も考えられます。

この記事が気に入ったら「いいね!」をお願いします