山手線の品川駅~田町駅間に新たに誕生する新駅が発表されて話題を呼んでいます。しかし、新駅のイメージ図は公開されましたが、肝心の駅名はまだです。駅名は単純に停車場の名称というだけではありません。最近では新駅名が周囲に大きな影響を及ぼすこともあり、さまざまな議論が起きています。

鉄道事業法ではJR東日本に決定権

[図表]

山手線の品川駅~田町駅間に新駅をつくると、JR東日本が発表しました。山手線の新駅は、1971年に西日暮里駅が開業して以来です。それだけに、新駅には大きな注目と期待が寄せられています。

ただ、肝心の新駅名はまだ決まっていません。「駅の名前なんて何でもいい」という意見もありますが、駅名の影響力は決して小さくありません。駅ができれば、周辺には○○駅前店という店名のコンビニやカフェ、ファミレスなどができるからです。

それでは、新駅の名前はどのように決められているのでしょうか? 鉄道事業法では、駅名の決定権者を事業者と定めています。つまり、山手線新駅の駅名は、JR東日本に決定権があるのです。

増える一般公募のケース

最近では鉄道事業者が独断で決めることは少なく、一般公募するケースが増えています。公募には利用者や地域住民に愛着を抱いてもらう効用があるからです。しかし、必ずしも公募に寄せられた獲得票数1位の名称に決まるわけではありません。2011年に全通した九州新幹線では、一部の駅で駅名が公募されましたが、必ずしも得票1位の名称が採用されていません。

今回の新駅名に関しても、JR東日本は一般公募をする予定です。地方自治体や住民が駅名決定に関わることで、“鉄道会社の駅”ではなく“みんなの駅”という思いを強くしてほしいという狙いがあります。

北海道新幹線の新駅では一悶着

昨今、駅名の社会的影響力は強くなる傾向があります。影響力が増すことで、自治体や住民間で新駅名を巡る意見の衝突が起きています。その一例が、北海道新幹線です。

北海道新幹線は、2016年に一部区間の開業を予定しています。北海道新幹線は道南エリアの拠点都市・函館市を通りません。JRは北隣の北斗市に駅を設置する計画を示しています。予定されている新幹線駅には、“新函館駅”という仮称がつけられていました。この仮称に対して、北斗市は「正式駅名には所在地である“北斗”をつけてほしい」と要望していました。

函館市は、「函館市は道外からの観光客も多く訪れる北海道の玄関口であり、道南の政治や経済を担っている。駅名に“函館”がつく方が、観光客にとってはわかりやすく便利である」ことを理由に新函館を主張していましたが、6月11日、JR北海道は“新函館北斗駅”を正式駅名にすることを発表しました。両者の名前をくっつけた折衷案で落着したわけです。