[表1]

広島の勢いが止まった。6月はわずかに2勝、9連敗を喫するなど、交流戦開始時に12あった貯金も2まで減ってしまった。もともと交流戦を大の苦手としていたとはいえ、あのチーム状態でここまでの失速をしてしまうというのはさすがに想定外といえるのではないだろうか。魔法が解けたように勝てなくなったカープ、失速の原因はなんなのか?

[表2]

■極端にチャンスに弱い打線

交流戦開始時点で広島の1試合の平均得点は4.73と高い水準にあった。それが交流戦では2.90にまで落ちている。その要因はタイムリーヒットの減少である。表1は交流戦でのタイムリーヒット数を比較したものだ。広島の交流戦に入ってからのタイムリーヒットはわずかに16本。試合数の20よりも少なく、1試合平均0.8本しか打っていない。昨シーズンのプロ野球全体は1試合平均3.35本のタイムリーが生まれていたことからみてもいかにこれが少ない数字かお分かりいただけるかと思う。問題はこれがチャンス全体の減少によるものだけではないということだ。広島の1試合平均得点圏打数は交流戦前が8.5、交流戦では7.3と1試合平均で1打数ほど減っている。この程度の減少であれば得点圏で通常の打撃、つまりチーム打率前後(.239)の安打がうまれれば1試合2本前後のタイムリーヒットが出る計算となる。しかし広島の場合チームの得点圏での打率は.199とチーム打率よりさらに下がり、とくに走者二塁、三塁では12打数1安打(.083)、三塁では14打数1安打(.071)と考えられないような数字になっている。チーム打率の.239も低い数字だがこれは交流戦首位の巨人と同じ。悪いのはその数字が得点の入りやすい状況になればなるほど下がっていくという点にあるのだ。チャンスがチャンスになっていない、これが失速の1つ目の原因だ。

■負の連鎖を生むエラー

交流戦に入ってから増えたものがエラーである。交流戦前の1試合平均0.57個から0.8個と約4割増加している。ただ、記録上の増加以上に問題なのがエラーをしたあとのことだ。交流戦中に犯した16のエラーのうちなんと13個がその後の失点につながっているのである。表2は各球団のエラー後に失点した割合をまとめたものだが、他球団平均が約50%なのに対してカープは81.3%、エラーの数自体も最多だが、それが失点につながっている割合も最多なのだ。象徴的なシーンが6、7日のソフトバンク戦で起きていた。6日の試合では2点リードの3回ノーアウト二塁から梵がショートゴロをエラーすると、そこから先発の九里が1イニングに9失点、さらに翌日の試合で1回1アウト一塁から菊池がセカンドゴロをエラー、すると前日のVTRのように先発の大瀬良が一挙7点を失ってしまったのだ。1つのエラーが異常な悪影響を与えてしまう、これが失速2つ目の原因だ。