[写真]海文堂書店のフリーペーパー海絵(カイエ)

 昨年9月に閉店した、神戸市中央区の元町商店街の顔だった「海文堂書店」の「幻の誕生100年」を記念するイベント「99+1」がこのほど、同区の「ギャラリー島田」で行われ、かつての常連客などでにぎわった。

 海文堂書店は、1914年6月1日に、海事書専門の書店として創業。高度成長期には神戸港に入港する船舶の船員が制服のまま訪れるなど、港町ならでは、の書店として親しまれた。2000年を越えてからはフリーペーパーの「海会(カイエ)」や雑誌「ほんまに」を創刊することで、みなと神戸の文化の担い手としても地元にとって大きな存在として君臨した。2005年には、書籍愛好家で結成された書皮友好協会選定の「書皮大賞」に、ブックカバーが選出されるなどした。しかし、近年、若者の活字離れやネット通販などに押され、売り上げが低迷。昨年9月末に創業100年に1年足らずで閉店となった。

「海文堂書店の本」として、ちゃんとした本に残したい

[写真]「書皮大賞」にも選ばれたブックカバー

 今回のイベントでは、しのぶ写真の展示や記念ポストカード、復刻ブックカバーの販売などを行った。「今回の収益などを基にして、『海文堂書店の本』として、ちゃんとした本に残したい」と、「ギャラリー島田」のオーナーで、海文堂書店の元社長の島田誠氏。海文堂の閉店で元町商店街から書店が姿を消したことなどもあり「本というキーワードで、街づくりに(海文堂書店の足跡が)係わっていく可能性はあるかもしれない」と、島田氏は今後への期待も口にした。
(文責 谷川しゅんき/関西ライター名鑑)

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