#01 弾圧の犠牲者

ペルシャ湾に浮かぶ島国バーレーン王国の首都マナマ。強い日差しがアスファルトの路上を照り返すなか、青年の遺体を運ぶ車がゆっくりと進んでいった。沿道には黒いチャードルをまとった女性達が声をあげて悲嘆にくれている。国民の大多数はシーア派イスラム教徒だが、権力を握っているのはスンニ派だ。チュニジアで始まった革命の嵐はアラブ各国に飛び火し、バーレーンでも、虐げられてきたシーア派の人々による権利拡大を求めるデモが頻発するようになっていた。「アラブの春」が自国の政権を揺るがすことを恐れたハリーファ国王は、デモに対して過剰なまでの弾圧にのりだした。青年ハッサンは、デモ中に警察によって頭を撃たれ殺されたのだ。
(バーレーン 2011年2月)

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