[図解]カプコン買収防衛策否決、株式会社のあり方が問われる

 ゲームソフト開発カプコンの株主総会は16日、買収防衛策の継続決議を否決しました。これまで日本企業は外国人投資家による株式の取得を防ぐために、数々の買収防衛策を導入してきました。カプコンもその1社なのですが、何が起こったのでしょうか?

 同社は2008年に買収防衛策を導入し、株主総会でその継続を決議してきました。今回も同様の決議事項が提案されていましたが、賛成した議決権数は21万5731だったのに対して、この継続に反対した議決権数は23万6404となり、提案は否決となりました。

 反対票を投じた各株主がどのような理由で票を投じたのかについて知ることはできませんが、同社の株主に外国人投資家が多いことが大きく影響していることは間違いありません。同社の株主の約半数は外国人投資家といわれており、彼らの多くが議案に反対票を投じたものと考えられているからです。

 株式会社は、不特定多数の人が会社の所有権を自由に売買することを目的とした会社形態です。所有権を自由に売買できない会社形態はたくさんあるにも関わらず、わざわざ株式会社にしているということは、不特定多数の人に自社の株式を買って欲しいと会社側が主張していることになります。また株式を上場するということは、国際的な市場で自社の株を買って下さいと世界にアピールすることを意味しています。

 その点で、過剰な買収防衛策を講じ、特定の株主を排除するということは、株式会社や上場の趣旨からしてあまり望ましいことではありません。

 米国は資本主義の権化のようなイメージですが、こうしたオープンな会社形態を望まない人たちもたくさんいます。世界最大の穀物商社のカーギルはいまだに一族だけが株式を持つ非公開企業ですし、市場情報サービス大手のブルームバーグはパートナーシップと呼ばれるクローズドな会社形態です。そのような選択もある中、わざわざ株式会社という形態を採用し、市場に株式を上場している以上、過度な買収防衛策を撤廃することは自然な流れといえるでしょう。

 カプコンは株主からのノーという形ですが、日本郵船のように、企業のグローバル化という観点から、自ら買収防衛策を撤廃する企業も現れています。商船会社は日本ではもっとも古くから国際競争にさらされ、グローバル化が進んだ業界といわれています。日本企業が本当に成長しようと思うのであれば、こうした取り組みを着実に行っていくことが重要でしょう。

(The Capital Tribune Japan)