[写真]衝突の影響は予想以上に大きく、衝突痕は数週間も残った。クリックで拡大(提供:R. Evans, J. Trauger, H. Hammel and the HST Comet Science Team)

1994年7月にシューメーカー・レヴィ彗星が木星に衝突してから20年が経ちました。20個あまりに分裂した彗星核が木星に衝突していく様子とそれが残した巨大な衝突痕は、当時マスコミでも大きくとりあげられ、多くの天文ファンの記憶に残っています。

シューメーカー・レヴィ彗星は、1993年3月24日にアメリカのパロマ山天文台でレヴィさんとシューメーカーさん夫妻が発見。木星に衝突するのではないかと最初に予測したのは、日本の天文家・中野主一さんでした。

太陽系最大の惑星である木星に、彗星のかけらがぶつかったところで大きな変化はないのでは? という予測もありました。

[写真]木星衝突の約2か月前に撮影された、分裂した彗星の様子(提供:Dr. Hal Weaver and T. Ed Smith (STScI), and NASA)

しかし、多くの望遠鏡や探査機の目が注がれるなか、1994年7月16日から22日にかけて次々と木星の表面に衝突してみると、その衝突痕はアマチュア用の天体望遠鏡でもよくわかるほど大規模なものだったのです。これは、世界中の研究者や天文ファンに大きな衝撃を与えました。

そもそもこの彗星が20個以上にも分裂したのは、1992年7月に木星に接近した際に、木星の強い重力とその反対方向にかかる力(潮汐作用)によって引き裂かれてばらばらになったと考えられています。

この出来事から分かるのは、木星は、地球に近づいて衝突するおそれのある彗星などの小天体をブロックし、守ってくれる役割があるということです。また、巨大な天体衝突が現実に起こりえることだということを私たちに気づかせ、地球に近づく天体の監視強化を推し進めるきっかけともなりました。

(監修:アストロアーツ

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