[写真]鷲羽山から望む風景(写真:アフロ)

 少子高齢化が年々加速する現代日本において、地方の「人口流出」は深刻な問題だ。一方で、「田舎暮らし」や「第二の人生」を求めて都市部から地方に移住を希望する人々は増加傾向にある。地方自治体はそうしたニーズに応えるべく、支援活動に力を入れ始めているが、一時的な経済面での援助だけでは定住に結びついていないのが現状のようだ。そんな中、意外な県が移住先として注目を集め、着実に定住者を増やしているという。中国地方の岡山県である。

震災以降、移住先として急浮上した岡山県とは?(下)

 全国における岡山県の認知度は決して高いとは言えず、県名だけではイメージが湧かないという方も多いかも知れない。ところが、東日本大震災以降しばしばメディアに取り上げられ、じわじわと認知度が高まってきている。東京・有楽町にある「ふるさと暮らし情報センター」の利用者を対象にしたアンケートで、岡山は“住みたい県”として2012年2位、2013年3位、と連続して上位にランクイン。雑誌『いなか暮らしの本』(宝島社)の読者対象アンケートをもとにした「移住したい都道府県ランキング」でも、2012・2013年と連続して4位となり、人気の高さがうかがえる。震災前の2011年にはいずれもトップ10圏外だったというから、大躍進といえるだろう。

 実際のデータを見ても、総務省が公表している住民基本台帳人口移動報告によると、東日本大震災後の2011年は+605人、2012年は+404人と2年連続で「転入超過」(他都道府県からの転入者数が転出者を上回っている状態)を記録。ちなみに震災前の2010年は-2084人である。岡山県が「転入超過」に転じたのは1997年以来14年ぶりのことで、東名阪への人口集中傾向が続く中での「転入超過」は、47都道府県中11都道府県のみ。その後、2013年には-723人の「転出超過」に落ち着いてはいるが、このデータからは被災地や周辺地域からの短中期的な避難先として岡山県を選んだ人たちの存在が浮かび上がってくる。また、復興庁が公表している避難者数のデータに着目すれば、岡山県への避難者は2011年7月の420人から2014年6月現在の1113人と、増加傾向にあることも見てとれる。

この記事が気に入ったら「いいね!」をお願いします