[図]iPadの技適マーク(左)と総務省の技適マーク見本

最近は日本国内でも徐々にSIMフリーのスマートフォンを使う人が増えてきましたが、このSIMフリーに関連して「技適マーク」というキーワードを見聞きした覚えはないでしょうか。この技適マークとはどのようなもので、なぜSIMフリーと関係があるのかなどを見ていきましょう。

基準を満たした無線機に付けられる「技適マーク」

 まず最初に、そもそも「技適マーク」とはなにかについて解説しておきましょう。日本には電波の混信などを防ぎ、公平かつ能率的に利用できるようにする法令として1950年6月に施行された「電波法」があります。各メーカーはこの電波法に基づいて製品を開発し、総務省に基準を満たしている旨の申請を行うのです。そして「技術基準適合証明」と「技術基準適合認定」のいずれか、あるいは両方の認証を受けている無線機に付けられるのが技適マークとなります。技適マークが付いていない無線機は、基本的に日本国内で使用することができません。

「無線機なんて使わないから無関係」と思った方はちょっと待ってください。文字上では“無線機”と定義されていますが、普段の生活で皆さんが使っているスマートフォンも電波を用いて通信するので、カテゴリ的には立派な無線機扱いになります。

技適マークなしの端末+国内キャリアのSIMカード=電波法違反

 前述のように、日本のメーカーが国内向けに販売しているスマートフォンは申請を行っているため、技適マークが付いています。外側から見えなくても、バッテリを外した内側に記載されていたり、機種によってはデジタルデータとしてソフトウェアに組み込まれているケースもあるので、一度確認してみるとよいでしょう。

 では、なぜスマートフォンと技適マークの関係性が問題となるのでしょうか。それは、海外から輸入されてきたSIMフリーのスマートフォンを使用する場合です。海外の製品は、最初から日本市場向けに開発された製品を除き、技適マークが付いていません。日本市場向けではないため、日本の電波法に準拠しなくても良いのは当然のこと。販売対象国の法律をクリアしていれば問題ないのです。

 しかし、こうした技適マークのないSIMフリー端末を日本国内で使うと、電波法違反になる恐れがあります。この“恐れがある”というのは、条件によって異なるからです。たとえば外国人観光客などが訪日した際、現地で契約したSIMカードと技適マークがない海外端末を使い、国際ローミングで通信を行うようなケースでは違法になりません。一方、技適マークのない海外端末に国内キャリアのSIMカードを挿して使うと違法になってしまいます。通話はもちろん、Wi-FiやBluetooth経由での送受信についても同様にNGです。