#01 「価値のない戦争」

2003年10月18日、イラク北部のタザで2人の米兵が命を落とした。乗っていた車両が武装勢力によって待ち伏せ攻撃にあったのだ。そのうちの一人、20歳だったジョン・ハート上等兵の葬儀が、彼の故郷マサチューセッツ州ベッドフォードでおこなわれた。僕も数ヶ月前に海兵隊の従軍取材を終えてイラクから戻ってきたばかりだったが、この頃から米兵の葬儀を撮る機会が増えていった。

2003年の米軍のイラク侵攻以来、現在まで犠牲となった米兵は4500人、イラク人になるとその数は15万人をこえる。

ハート上等兵のことについて調べていたら、父親のブライアンが息子の葬儀から8年後のインタビューで語った、こんな言葉がみつかった。

「あの戦争は必要なかったと思う。国が戦争にはしるとき、私たちは自らに問うべきだ。息子や娘の命をかける価値はあるのか、と。そういう戦いもあるかもしれない。だけどこの戦争では、残念ながら答えは否だった」
(2003年10月撮影)

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