リスクはあるが、新しいことをやらなければ世界一にはなれない

 眞鍋JAPANが新たに挑んでいる「新戦術」。昨シーズンの「MB1」の進化型、マイナスイメージを払拭し、「Hybrid6(ハイブリッド6)」という名称にしたという。6人誰もがどこからでも攻撃できるバレー、その新戦術を、ワールドグランプリ・決勝ラウンド(20日~24日・有明コロシアム)で公式戦で初めて日本で披露する。

 新戦術は、言わば、“ポジションレス”なバレーだ。攻撃陣はポジションを固定せず、1人が複数のポジションをこなす。常識や既成概念を捨て、ローテーション(ローテ)ごとにそれぞれの選手が一番能力を発揮できるポジションにつく、最も得点できる6人で戦う、新フォーメーションだ。

 「ノーマルなバレーをやっていては日本は勝てない」「相手より先に25点を取れば勝てるのだから、一番得点できる選手を同時に入れればいい」(眞鍋政義監督)。

 ロンドン五輪で銅メダルを獲得、現在世界ランキング3位。2016年のリオ五輪で「世界一」になるために、世界のどのチームもやっていない「新戦術」を打ち出した。ワールドグランプリ予選、出だしはコンビが合わない場面が多かったが、徐々に新戦術が機能しはじめ、アジアのライバル韓国、中国を破るなど4勝5敗。
 リスクもあるが、楽しみな新戦術。眞鍋JAPANの賭け、吉と出るか。

[動画]女子バレー新戦術「Hybrid6」進化の鍵は?──眞鍋監督、木村沙織らに聞く

日本が金メダルを取った五輪には「新戦術」があった

[写真]新戦術完成のため入念な確認を行う眞鍋JAPAN

──まず、「新戦術」をやろうと思われた理由を教えてください。

眞鍋監督 昨年、グラチャン(ワールドグランドチャンピオンズカップ)で「MB1」(ミドルブロッカーを2人から1人にし、ウイングスパイカーを1人増やす)を試しました。2016年のリオ・オリンピックを見据えてその試合を分析、反省、検証した結果、新しい戦術がなければ、2年後、日本は世界一にはなれない、何かやらないと勝てないという思いを強くしました。それで考え抜いて、今年は「MB1」の進化・変化バージョンに挑戦しようと。

歴史を振り返っても、1964年の東京オリンピックの東洋の魔女の「回転レシーブ」(大松博文監督)、1972年ミュンヘンの「時間差攻撃」(松平康隆監督)、そして1976年のモントリオールの「ひかり攻撃」(山田重雄監督)と、日本が金メダルを取った3大会には「新戦術」があった。世界でも、モントリオールで優勝したポーランドはボイトビッチがその大会で初めてバックからスパイクを打ち(バックアタック)、アメリカは2人サーブレシーブ、リードブロックを考案し、世界一になっています。男子も女子も2000年以降、あまり新しい戦術が出ていませんが、日本が勝つには、やはり「新戦術」が必要だと。