[写真]自民党総裁時代の谷垣禎一氏(Natsuki Sakai/アフロ、2012年6月25日撮影)

 自民党役員人事が3日、内閣改造と連動して行われ、いわゆる「自民党三役」の中でも党の要となる幹事長には、第2次安倍内閣で法務相を務め、総裁経験もある谷垣禎一氏が起用されることになりました。また、政務調査会長には行政改革相の稲田朋美氏、総務会長には元経済産業相の二階俊博氏が決定しました。かつてほどではありませんが、ニュースでよく耳にする幹事長、政調会長、総務会長の「自民党三役」。いったいどんな役職で、どんな力を持っているのでしょうか。

■幹事長

 1955年に結党以来、細川護煕非自民連立政権と民主党政権以外は与党(首相の味方)で村山富市政権を除いて首相を自ら出してきたのが自民党です。1994年の政党助成法ができるまで政党は基本的に法の定義がない「同士の集団」でした。助成法成立以後は政党助成金が交付される条件を満たすのを「政党」と呼びます。ただ名称を独占しているのではなく、誰でも「何とか党」と名乗って構いません。

 自民党のトップは「総裁」で党内の選挙で選ばれます。上記のように自民党は自ら首相を輩出してきました。総裁が国会内の投票で勝って指名を受ければ首相になれます。首相は内閣のトップで大臣などを指名し「政府」のトップも担います。したがって名目上「党」のトップであっても「政府」の仕事が大変忙しいので、総裁が任じる幹事長が「党」の事実上のナンバーワンになるのです(副総裁を置いた場合は除く)。

 その権限は絶大で、最たるものが選挙です。1996年から始まった衆議院小選挙区比例代表並立制以前の中選挙区時代は、党内の各派閥の領袖(ボス)が人材育成から資金調達までやってのけ、党内でも主流派、非主流派に分かれて争うのもしばしばでした。中選挙区だと1選挙区で2人以上の自民党候補の当選が可能だったので、そんな余裕もありました。しかし小選挙区になると1人しか当選できないので、候補として公認されるかどうか死活問題となってきました。総裁があえて干渉してこない限り、その権限を握っているのが幹事長です。同時に助成金など財布を預かっているのも幹事長。公認権とカネを持っているのですから簡単には逆らえません。

 中選挙区時代の幹事長は首相になるための重要な通過地点でもありました。「党」ナンバー2の経験者は必然的にナンバー1(総裁)の有力候補になるので。石破茂前幹事長まで39人(2度務めた人は1人と数える)のうち首相になったのは12人。確率は3割を超えています。派閥の領袖は12人(領袖の竹下登氏と同等の権力を持った金丸信氏、石破氏は石破グループトップと計算)、首相と同派閥の番頭格が8人、領袖の有力後継者8人といった内訳となります。