[写真]横浜DeNAベイスターズの次期球団オーナーに就任する見通しと報じられた南場智子氏(2010年12月1日撮影、ロイター/アフロ)

 横浜DeNAベイスターズの次期球団オーナーに、DeNA創業者で、現在同社取締役の南場智子氏が就任する見通しであると報じられています。実現すれば、日本のプロ野球界では初の女性オーナーということになるのですが、南場氏とはどのような人物なのでしょうか。

 南場氏は、IT業界では、その名前を知らない人がいないほどの有名人です。南場氏は津田塾大学卒業後、世界的に有名なコンサルティング会社であるマッキンゼーに入社。ハーバード大学でMBA(経営学修士)を取得後、最終的には同社のパートナー(役員)まで昇進しました。その後、南場氏は同社を辞め、DeNAを創業します。

 当初、DeNAは南場氏がマッキンゼー時代から構想を温めていたネットオークションの会社としてスタートしましたが、国内ネットオークション市場ではヤフーの圧勝となり、同社は一時経営も危ぶまれる状況となりました。しかし、アルバイトから同社のキャリアをスタートさせた1人の天才エンジニアが、わずか3日で「モバゲー」を開発。これが想像を超える大ヒットとなり、同社は国内でも有数のSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)企業に成長したのです。業績の低迷を乗り越え、社員の小さなアイデアを巨大な事業に育て上げた、南場氏の経営者としての手腕は高く評価されています。

 しかし、南場氏は2011年6月の株主総会において、病気になった夫の看病に専念するため、経営の第一線から退いてしまいます。当時、同社に対してはモバイル系ゲームにおける有料アイテム購入システムが射幸心を煽るとして(いわゆるコンプガチャ問題)社会的な批判が高まりつつありました。また、公正取引委員会が同社に対して独占禁止法違反(不公正な取引方法)で排除命令を出すなど、いろいろとトラブルも抱えていました。南場氏の辞任にはこうした事情も関係しているとの見方が一部にはあります。

 その後、夫の病気が快方に向かったこともあり、2013年にはフルタイムの復帰宣言を行い、南場氏は経営の現場に戻ってきました。2014年には遺伝子解析で病気のリスクを判定する新しいサービスを立ち上げ、責任者として陣頭指揮に立っています。自叙伝である「不格好経営」は大ヒットとなりました。

 IT業界のカリスマ女性経営者が、プロ野球の経営に乗り出すわけですから、これまでにない、斬新なアイデアが出てくることが期待されます。

(The Capital Tribune Japan)

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