9月27日の御嶽山(長野県、岐阜県境・標高3067メートル)噴火は、多くの被害者を出し、近年にない噴火災害になりました。御嶽山の噴火は2007年3月の小規模噴火以来で、これまで大きな活動もなかったことから気象、防災関係者は不意を突かれた形です。噴火の警戒体制も強められたばかりなのになぜ? 本格的な検証が求められています。

【写真】御嶽山噴火 なぜ事前察知ができなかったのか

常時監視が必要な活火山は「47」

[図解]24時間体制で監視している47火山

 日本は「火山列島」ともいわれ、110の活火山がひしめきます。その半数近い47は常時観測が必要な火山とされ、観測体制が敷かれています。御嶽山もその一つで、47活火山のうち最も警戒が必要な「近年、噴火活動を繰り返している火山」とされた23火山に含まれています。「安心できない火山」の一つだったのです。

 「活火山」は現に噴火などの活動がある火山だけを指すのではなく、気象庁によると、火山噴火予知連絡会が「おおむね過去1万年以内に噴火した火山および現在活発な噴気活動のある火山」を活火山と定義しています。千年、1万年単位で再活動する火山は「長い目」で警戒しないと安心できないという訳です。

30火山で「噴火警戒レベル」運用

 気象庁は、「噴火警戒レベル」を運用している全国30火山のうち、今回噴火した御嶽山をはじめとする有珠山、草津白根山、浅間山、伊豆大島、三宅島など23火山について、「避難」など具体的な対策を促す警報の運用を今年3月26日から開始したばかりでした。

 噴火警戒レベルは、レベル1の「平常」(火山活動は静か)、レベル2は「火口周辺規制」(火口周辺が危険)、レベル3「入山規制」(噴火が発生、または予想される)、レベル4「避難準備」(居住地域に大きな被害が予想される)、レベル5「避難」(居住地域に重大な被害が及ぶ噴火)に分けられています。

 今回の御嶽山噴火では、9月27日午前11時53分の噴火の後、南側斜面を噴煙が3キロ余も流れ下りました。このため気象庁は噴火後約40分の午後12時36分に火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルをそれまでの1から、3の入山規制に引き上げました。しかし、すでに火口付近にまで多数の登山者が足を運んでおり、突然の噴火で遭難者が多数出てしまいました。

 噴火前の9月11日には気象庁が御嶽山の地震を観測していましたが、その後地震が減少していたことから強い警戒体制は取られなかったようです。仮に地震の観測後、レベル3の警戒態勢に入っていれば遭難者は出なかったことになります。しかし、御嶽山に限らず、専門的な予測も必ずしも的中せず、一方で人気の観光地や登山コースの火山の周辺で、来訪者を締め出す強い警戒体制をいつ取るかの難しい判断もあります。