阪神が来季の1軍コーチングスタッフとしてOBの金本知憲氏(46)へ“入閣要請”を打診していたことが6日までに明らかになった。来季の監督人事については和田豊監督の続投が最終決定に至っていないが、バッティング部門の強化と、同時に将来の監督候補の育成という2つの狙いを持ってフロント主導で先行人事を仕掛けたものだ。

 将来を見据えた監督候補の育成は阪神の長期的な命題。金本氏の指導者適性は未知数だが、現役時代の実績は文句なく卓越した野球理論を持ち加えてチーム内の人望が厚くファンからも絶大な人気を集めている。また、そのバッティング指導にも定評があり、今春の沖縄キャンプでは鳥谷敬に長打力を増すための下半身の使い方について掛布雅之DCを交えてアドバイスを送った。

 今季の阪神はクリーンナップは固定できたが、打線全体を見ると調子の波が激しく、勝負どころでの得点力をキープすることができなかった。金本氏の入閣で打線強化を図りたいという狙いもあって、来季のコーチングスタッフ入りを打診した。

 だが、ユニホームを脱いで2年の金本氏は、「もう少しネット裏から野球を勉強したい」との理由で今回の入閣打診に対して、すでに断りを入れた模様だ。球団サイドも、その意向を汲んで、今オフの入閣はあきらめたが、“将来の監督候補”としてのフロントの位置づけは変わらず、来年以降も、タテジマのユニホーム復帰のタイミングを伺っていくものと考えられている。

 過去に監督人事を巡って派閥抗争のような“お家騒動”を繰り返してきた暗い歴史を持つ阪神は、負の歴史にピリオドを打つため“生え抜き監督”を自前で育てるという長期プロジェクトを実行してきた。星野仙一氏を外部から監督に招いた時代に岡田彰布氏を2軍監督から1軍へ引き上げ、三塁コーチを任せて経験を積ませ、内側からチームの戦力を把握させておくなどの帝王学を学ばせた。星野氏の退任後は岡田氏へスムーズにバトンタッチ。就任2年目にリーグ優勝を果たしている。