[資料写真]太陽光などの再生可能エネルギーの買い取り中断を電力会社が相次いで表明している(ロイター/アフロ)

 太陽光など再生可能エネルギーの買い取りについて電力会社が相次いで中断を表明しています。再生可能エネルギー普及のカギだった買取制度に何が起こっているのでしょうか。

 日本は再生可能エネルギーの普及を目指して、再生可能エネルギー固定価格買取制度を設けており、個人や事業者が太陽光などを使って発電した電気を電力会社が買い取ってくれる仕組みになっています。電力会社は一旦、買い取り契約を締結した場合には、事前に定められた期間については責任を持って電気を買い取る義務があります。しかしどれだけの電気買い取りを受け付けるのかは電力会社の裁量に任されており、上記の電力会社はこれ以上、受け入れを望まないと表明したわけです。厳密には、各社とも出力10キロワット未満の住宅用発電システムからの買い取りは継続しますが、事業者を中心とした10キロワット以上の大口の買い取りについては、新規受け付けを中断します。

 一部の事業者は、多額の借り入れを行い、土地を買収したり設備の購入契約を進めています。買い取りが中断されると、これらの事業者の経営には大きな影響が出そうです。また、個人でも10キロワット以上の高額な設備を導入しているケースがあり、こうした家庭では何百万円もの投資がムダになってしまいます。

 電力各社では、これ以上、新規の受け入れを続けると、送電網などにおいてトラブルが発生する可能性があると主張しています。電力会社としては、自分達が発電したものではない電気を受け付けることを基本的に望みませんし、場合によってはトラブルが発生する可能性もゼロではありません。

 しかし、買い取りを希望する個人や事業者がどの程度いるのかは、事前に分かっていたことであり、十分予想がつくものでした。専門家の一部からは電力会社が新規受け入れを中断する理由について疑問視する声も上がっています。

 経済産業省では、現在、認定している再生エネルギー事業者すべてが発電を開始した場合、買い取り総額が現在の約4倍の約2兆7000億円となる見通しを明らかにしています。再生可能エネルギーは電力会社が買い取るのですが、電力会社はその費用を負担するわけではありません。買い取りに要したコストは、そのまま利用者の電気料金に上乗せされます。手元の明細を見れば分かると思いますが、すでに電力会社からは再生可能エネルギーのコストが徴収されているはずです。

 現在の各家庭における平均的な月額負担は225円ですが、経産省の試算ではこれが935円に跳ね上がる見込みです。エネルギー価格の高騰や原発のコスト増などで、電力会社はさらなる値上げを検討しています。そういった中で、利用者の負担がさらに増加することについて電力会社が消極的になった可能性も指摘されています。

(The Capital Tribune Japan)