映画館で「感動の共有を」

[写真]椅子は新しいが100年余の歴史を刻む劇場

 同館の田上真里支配人は「ファンの皆さんに支えられている。古い建物を残すことより、時代に即した上映をいかに続けていくかが、この映画館の使命」と話します。最近の映画離れともいえる傾向については「今は自宅で映画を見ることができるが、映画館で他の人たちと一緒に感動を共有できることが映画館で観賞することの大きな意味だと思う」と言います。

 以前は小中学生の学校行事で映画鑑賞する場合に自治体の助成もありましたが、その後、廃止されました。「映画館で共感することは教育にも生かせるはず。子供たちが一緒に映画館でいい映画を見ることができるよう働きかけていきたい」と田上支配人。小林青年部長も「映画館は市民が感動を共有する尊い場所。人々とともに存在しているまちの文化です。多様な映画を見ることができる環境が育っていってほしい」と今後に期待しています。

長野市内には現在4館

[写真]映画館で保存してあった昔懐かしい寅さんのポスターも二度のお勤め

 長野市内の映画館は昭和30年代の映画全盛期に10余館を数えましたが、現在はシネコンも含め4館。それでも多くの老舗映画館や単館系の劇場が閉館していく中で、人口38万人余の地方都市としては映画館が頑張っている地域だとされています。

 長野松竹相生座・ロキシーは12月20日から1月16日まで「寅さん特集」として男はつらいよシリーズ第36作「柴又より愛をこめて」、第3作「フーテンの寅」、第21作「寅次郎わが道をゆく」、第23作「翔んでる寅次郎」の4作品を順次上映。1月17日からは市川雷蔵の「新源氏物語」、「眠狂四郎 女妖剣」などを予定し、同館のファンの期待に応えることにしています。

(高越良一/ライター)

《メモ》 …長野松竹相生座・ロキシー以外で昭和27年以前から営業している全国の木造映画館は、小林青年部長の調べで2014年現在、次の8館。うち4館は現在、成人映画上映館(非デジタル)。(1)銀星映画劇場(現・水戸銀星映画劇場)=茨城県水戸市、(2)川越松竹館(現・川越スカラ座)=埼玉県川越市、(3)高田松竹館(現・高田世界館)=新潟県上越市、(4)伊那旭座(現・伊那旭座1)=長野県伊那市、(5)中村映画劇場(現・中村映劇)=名古屋市中村区、(6)アサヒ館(現・松阪大映劇場)=三重県松阪市、(7)本町映画劇場(現・本町日活)=兵庫県明石市、(8)昭和館(現・小倉昭和館1)=福岡県北九州市