[写真]BMWの稼ぎ頭である3シリーズセダン。写真はハイブリッドモデル。Bピラーを過ぎてもルーフラインが水平に伸び、後席乗員の頭の直前からルーフラインが下がり始めるデザイン。現世代からセダンを3シリーズ、シャシーを共用するクーペを4シリーズと呼ぶことになった

 今回はセダンの衰退を通して、欧州車と日本車のことを考えてみたい。まずはセダンの定義からだ。

 乗り物全体に言われていることだが、エンジンなどの収まる機械室、トランクなどの荷室を独立させて、キャビンを人間専用にする方が高級だとされる。3ボックスのセダンスタイルは、これを象徴化したものだ。真ん中のキャビンを挟んで、前に機械室、後ろに荷室を別々に用意した形だからセダンは高級でフォーマルなのだ。

 セダンは一般に3ボックススタイルで4枚のドアを持つ自動車だ。一般にと書いたのは例外的に2ドアのセダンもあるし、時にリアセクションを持たない2ボックスのクルマもセダンと呼ぶことがあるからだ。

 基本的に2ドアセダンは貧乏なセダンである。日本にもずっと昔はあった。高級でフォーマルなセダンというプロトコルに2ドアの貧乏仕様があることは面白いが、世の中には守旧的でありつつもおカネが無い人もいるのだから仕方がない。

 2ドアと言えば普通に想像するのはクーペだが、1台のクルマを2人だけで贅沢に占有することを形として具現化するために2ドアでデザインされるクーペとは違う。2ドアセダンはリアシートも本気の4人乗車用だが、ドアを減らして値段が安くなっている。乗り降りの面倒さはその差額分の代償だ。なので2ドアクーペと2ドアセダンは一見似ている様に見えて、概念的には月とスッポンだ。

 軽自動車やA、Bセグメントの小さなクルマにはサイズ的制約のため仕方なくトランクを諦めたものがあり、3ドア2ボックスボディでありながらセダンと呼ばれる。前述の「機械室と荷室を切り離す」という本来の意味からするとセダンではないが、例外の様なものだ。現在で言えば、フォルクスワーゲンup! の3ドアはこの代表だろう。

 いささか強引にまとめると、例外は多少あるもののリアシートに人を乗せることを前提とした3ボックス4ドアのクルマがセダンだということになる。

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